タクシー運転手と地理
タクシー運転手になりたい人や、なったばかりの人の最大の悩みは「地理」だろう。
運転手は「地理」に拘り、囚われていることが多い。しかし、利用者が求めているものや、その苦情には「地理」に関することは多くはない。
先日起きた札幌のタクシー暴行事件だってそうだ。報道は「行き先」と「経路」に焦点を合わせて伝えた。そして地理の問題に(矮小化)した。しかし、ボクは「その後の対応」によって事件が起きたと考える。
ボクたちは「地理」に囚われて、「地理」ばかりが気になってしまう。そのため、本分である「接客」を忘れてしまう。お客様は荷物ではなく人なのだ。運転手は、お客様を安全に目的地まで送り届けるということが仕事なのだ。つまり、安心と安全こそが大切なことなのだ。
一流のタクシー運転手に求められるもの
結局、運転手に求められているものは精通した地理と接客技術なのだ。
JAPAN TAXIが発売された。タクシー業界もUD化を求められている。そのユニバーサルとは「地理の精通した車/人」ではなくて「人にやさしい車/人」という意味なのだ。そういう車や人が増えることこそがタクシー業界やこの国に求めれれていて、そのことこそが業界が生き残れるたったひとつの道なのだ。
「移動で人を幸せに」どこかの法人タクシーのテーマだ。A地点からB地点に移動するためだけにタクシーが存在するのではない。そこまでの時間と空間に幸福感が持てるような技が必要な時代なのだ。
それを業界自体が忘れてしまい、ボクたちと同じように「地理」という空間の移動だけに囚われてしまうことが、不幸の始まりだったように思う。
「地理」はタクシー運転手に必要なものだけれど、それは職人として最低限の技ということ。例えば、料理人が味よりはその作り方を自慢するようなもので、そんなことはレシピ本にまかせれば良いってことなのだ。
タクシーは接客業じゃない、という議論の前に、地理も満足に分からない人が多くなった…。
配車アプリの配車画面 タクシー運転手と地理の問題はアプリやナビで解決できるのだろうか?