ハケンの品格
「ハケンの品格」が13年ぶりに復活するらしい。
前回はちょうどリーマンショック後だった。そしてコロナショック、このタイミング、さすが大前春子だ。
あの頃、ボクたちは非正規労働者として働いていて、そうして多くの派遣労働者やパート、期間工の人たちが、リーマンショックによって職を失った。ボクは、この街に住み着いて、ハローワークに通う日々を送った。そうしてタクシー運転手という職を見つけた。年越し派遣村、もう忘れてしまった人も、初めて聞く人もいるのだろう。
日本人の品格
でもね、同一労働同一賃金というのが本当のありかただろうし、派遣や期間、パートやアルバイトというのが美化されて固定されてしまということは、格差社会を容認するということになって、仕方なく非正社員という選択をしている人たちもいるということまでも、忘れ去られるという状況になりはしないかと懸念するのですよ。
みんなが大前春子になれるのならばいいのですが、ほとんどの人はドラマでも表示されていたように、社員の年収の半分しかないというのが実態です。そしてそのことについて、何も感じなることこそ、日本人として恥ずかしいことなのかもしれないと思っているのですよ。
あの頃、そういえば「銭ゲバ」なんてドラマもあった。(そうそう松山ケンイチさん、衝撃的だった。あの後の「源氏物語」も良かった。それに「ノルウェーの森」も・・・)そして格差や貧困が大きくクローズアップされ始めた季節だった。テレビドラマは今よりもかなりボクたちの住む社会に寄り添っていたように思えた。そしてとうとうボクたちが「ハケンの品格」で感じた通り、貧困や格差なんてものが容認される社会になった。
もうテレビドラマは見ていない。大相撲とニュースだけの見る箱になってしまっていて、大相撲のない期間はテレビが邪魔になってしまっている。
コロナショックで派遣切り
いや、テレビの話をしたいんじゃないのだ。この新型コロナショックの影響で、トヨタ自動車が「国内の5工場7ラインで4月3日より一定期間の稼働停止」するということについて話たかったのだ。今回の稼働停止は「海外の市場や需要の状況を鑑み」だそうだ…。嘘をつけ、感染者が出て、その対応が遅くなり、批評が相次いだもんだから、それに、コロナマーク2や感染ライン、なんて言われ、クルマが感染しているので買わないように、なんて風評被害が怖いんだろう…。
高岡工場なんてのは、感染者が複数出ているんだから「海外の市場や需要の状況を鑑み」ではなくて「感染者が複数人発生しましたが、そのまま出勤し濃厚接触者が33人もの多数確認されたことを鑑み、トヨタ自動車からのクラスター感染、市中への感染拡大防止のため稼働を停止し、工場を閉鎖します」が正解だろう?ついでに想定外の自社ラインからの感染者発生に驚いているのだろうし。
企業の品格、経営者の品格
これから、派遣切りや雇止めは前回のように混乱はしないはずだ。だって、トヨタ自動車はすでに中国には10,000,000元もの「新型コロナウイルス対策支援」を行っているんだから。きっと国内の労働者にもそれぐらいの金銭的支援はするはずだ。いや、それ以上のこともトヨタには朝飯前だ。トヨタ城下町の住人のボクたちにもマスクの一枚無料配布ぐらい、昼飯前だ。
雇用する側が「ハケンの品格」なんてものを求めている。本当に必要なのは、この国に必要なのは「企業の品格」「経営者の品格」なはずだ。