湯浪ルート横峰寺へ(36日目の1)
60番横峯寺への遍路道、湯浪ルートは西条市小松町大頭、大頭交差点を起点とし、妙谷川沿い県道147号線を南に進み横浪休憩所へ、そこから横峯寺へ至ります。おおよそ10キロの上りになります。「四国のみち」の案内には「四国1番の難所」とあります。確かに、この10キロは難所でした。
丹原公園出発
丹原総合公園の深い闇の夜を抜けて東の空が薄っすらと明けてきたのは6時前だった。ボクは5時30分には目が覚めた。そして寝袋から出るタイミングをじんまりとして待っていた。6時起床、そのまま撤収する。いつものように寝袋をスタッフバックに押し込んだ。次に、マットの空気を抜きながら畳んでゆく。それをザックの中に入れてから、トイレに向かった。
洗顔をして出発したのが6時30分だった。公園前道路の自動販売機で缶コーヒーをゴトンと出す。それを立ったまま飲んでから歩き始めた。
湯浪ルート
遠く石鎚の山々が見えた。7時30分、国道11号線のファミリーマート小松大頭店着。いよいよここから山に入る。買出しをして肉まんとあんまんを店の横のベンチに座って食べた。
(横峯寺案内図 「四国のみち(四国自然歩道)案内図」
四国のみち【公式】ポータルサイト
横峯寺への地図(湯浪休憩所〜横峯寺までの遍路道は概略図です)
7時50分出発。県道147号線、妙之谷川沿いの道をゆっくりと高度を上げてゆく。車も人もほとんど通らない朝、その静寂が横峰寺や石鎚という神秘性を増してゆくようでもあった。9時00分湯浪の交差点に着く。右折、妙之谷川沿いをさらに登る。9時20分、横峰寺への登山口にあるへんろ小屋に到着。この時期にこの山の中に野宿するのは辛いだろうと考えながら、そこにあった遍路日記をめくると、その日もその小屋に寝た人が「寒かった」と書き込んでいた。
湧き水を汲んで出発しようと思ったのだけれど、ポリタンクやペットボトルをたくさん持った人が数組並んでいたので、そのまま出発。9時30分、横峰寺への山道に入る。2キロほどの距離なのだけれど、急登。遍路道というよりも登山道だった。
(横峰寺、湯浪ルートにて)
横峯寺着
10時30分、六十番札所横峰寺に到着。日曜日だからだろうか、ツアーの人たちで混みあっていた。バスは国道11号線から登ってきてそして下りてゆく。ここから星が森へは、来た道を戻って山門を出て左、右が今来た湯浪ルートだ。
横峰寺へは前日に会った女性が取ったルート(ボクが会ったほとんどの人がそのルートを取っていたのだけれど)五十九番国分寺から六十一番、六十二番、六十三番と打ち、車道を経由横峰寺、そして打ち戻って六十四番前神寺を打つのが効率的かる安全だそうだ。確かにへんろ地図ではなくて大きい地図を俯瞰すると、そのルートのほうが分かりやすい。
そして横峰寺を出て白滝奥之院経由香園寺への奥之院ルートは厳しい下り坂で、下りなのだけれど距離の割りに時間がかかる、そんな道だった。
(60番札所横峯寺にて)
数年前に一度来たことがあった。その時は石鎚に登った。伊予氷見から県道142号線を下谷に行き、ロープウェイのところの民宿に泊まって翌日登った。その時は4月だったのだけれど、数日前に大雪が振って石鎚山頂を諦めて成就社まで行って引き返した。
懐かしいというよりも、車を運転しながら見た風景をよく思い出せなかった。伊予氷見あたりも、あの時の、と言えば、あの時の、感じがする、というぐらいだった。