ひきこもり+タクシー
ひきこもりがまた話題になっている。
ひきこもりが悪いのではなくて、それを許容できない社会が悪いのに、今回のような事件が起きるとすぐに「対策」なんてものを、また言い出す。
その対策というのが就労対策だの社会参加だの、とにかくひきこもっている人たちを力づくでその世界から引きずり出そうとする。要するにひきこもりをなにがなんでも悪者にしたいのだ。
淡路島5人殺傷事件についてボクの思うところを書いたことがある。
ひきこもりが悪いとされる理由もそこにあって、社会との断絶が悪というのではなくて、消費しないことが悪というこの国のスタンダードからはみ出しているからなのだ。ひきこもって何が悪いのですか?
「孤独な40歳が5人を殺害」なんて事件が起きる。そうすると、犯人の「ひきこもり」や「孤独」にスポットが当てられて、ひきこもることがとても悪いように言われる。ひきこもり=犯罪予備軍、なんて図式にあてはめるコメンテーターもいたりして、もうこうなると差別としか言いようがない。ひきこもりの何が悪いのですか?
ボクもひきこもりだ。ひきだし(ひきこもりの反対)て生きてこなかったし、今後もひきだして生きていこうなんて思ってもいない。タクシー運転手なんてのはひきこもりでも出来る。車の中に一日中ひきこもっていられるのだから、ボクのような人嫌いでひきこもりの好きな男にはもってこいの仕事なのだ。
ひきこもり支援にタクシーを
ひきこもりは悪ではない。そして今また、今こそ、タクシー業界こそ救える機会なのだと思う。
社会とか会社とか集団なんてものにストレスを感じたり、アレルギーを感じる人たちに、UberやDiDiのシステムを使って収入を得ることで、夜間、深夜に人に会わないで、社会からひきこもって生きていけるのではないのか。タクシーという接客業も苦手な人には、宅配や郵便配達もある。あるいは内職やテレワークと言われる仕事も配車システムを使って発注し受注、配送も可能だ。
あるいは、今あるタクシー業界の形態でもいい。ただ、明るい職場なんて作らなくて良い。家族旅行、職場旅行、まっぴらごめんだ。コミュニケーションなんて必要ない。ボクたちの職場に必要なのは超個人主義、超許容主義の社会なのだ。
ひきこもって生きていくことが生き方として認められる社会になればいい。そうすれば、ボクたちのこの国はもう少し生きやすい社会になる。そのためにはひきこもっている人を引き出すんじゃなくて、ひきこもったままで生きることが出来る社会を作ることだと思う。そのためにもっとタクシーを、もっと規制緩和を、もっとシェアリングエコノミーを、もっと自家用有償を、なのだ。
伊勢のお酒を飲みながら天照大神の「天岩戸」を考える。天照大神もひきこもっていたんだし・・・。