年: 2015年

梅雨界隈

梅雨界隈

2015年6月11日
まったく。 雨が降りそうだったので、急いでスーパーに買い物に行った。ボクと同じ、そんな思いの老人たちや自転車買物ニストの主婦たちで店内は賑わっていた。特にチラシが入っているわけでもない木曜日の朝、スーパーに急いで行くより[…]
ただ過ぎに過ぐるもの

ただ過ぎに過ぐるもの

2015年6月10日
大きなアジサイの株があった空地は宅地造成されてしまって、今はその位置には若い夫婦が育てているカラフルな花のポットが並んでいる。墓石を掃き清める墓守の若夫婦。そしてその新しい家の瀟洒なタイル模様の壁が地層断面図のように見え[…]
本当の人間

本当の人間

2015年6月8日
「だからお前らはいつまでたっても発展途上国なんだよ」 何かある度に、ボクは心の中で、その呪いの言葉をささやいた。そしていかにボクが生まれ育った日本が素晴らしいかを考えたし、時として彼らに説いた。 それは、今思えば、とても[…]
As time goes by

As time goes by

2015年6月5日
「タクシー運転手って集団生活が苦手な人が多いですよね」 なんてことを昨夜Gさんに話した。 「ボクもそうなんですよ」 「そうは見えないけれど」 なんてGさんが言うものだから、少しだけボクの昔のことを話した。本当は、自給自足[…]
追憶 ゴールデンウィーク

追憶 ゴールデンウィーク

2015年5月9日
Yさんのアパートに行く時に、いつもボクは酒を飲んでいた。酒の勢いで行く、というよりも、照れくささを隠すために飲んでから行った。夜の10時前だというのにYさんの部屋の電灯はいつも消されていた。汲み取り式のトイレのニオイがそ[…]
九条どうでしょう?

九条どうでしょう?

2015年5月2日
戦後70年、ボクたちの知っている戦争は、痛みや苦しみ、あるいは空腹や痒みや臭さ、そんな感覚とは一切無縁の映像の中だけだのものだ。ヤモリやコウモリの住む洞窟に隠れ住んで、空腹にそれら爬虫類や昆虫を食べ、蚤や虱の痒さに眠れぬ[…]
闇の奥

闇の奥

2015年5月2日
真夜中、悲しいわけでも辛いわけでも苦しいわけでもないのに、泣きながら目がさめた。 人は泣きながら生き続けている。 「ボクがね、生きてきて自慢できることと言えばただひとつ、結婚しなかったことかな。だって相手の女性も、生まれ[…]
ゴールデンウィークの記憶

ゴールデンウィークの記憶

2015年4月29日
笠山に登ると、そこからホテル日航(今はロワジールホテルって言うんだけれど)が見えて、なにか悲しくなったことがあった。良いことなのか悪いことなのか、独りで暮らしていると笑うことが少なくなった。かわりに独り言が多くなった。こ[…]