月: 2013年11月

豊橋漂流(3) 豊橋漂流

豊橋漂流(3)

冬だ、冬だ、何処もかも冬だ …… 豊橋駅ペディストリアンデッキのベンチ。 三人のホームレス。 沈潜した過去に北風が吹きつける。 どこからやって来たのか、そしてどこへ行くのか、彫像となってしまった今となっては誰が知る。 視線の方向には自動車工場があって、例えば出稼ぎとして…
季節工 期間従業員について

季節工

稲刈りが終わり街に冬の気配がするころ、製造業や建設業の現場には季節工として多くの人たちがやってきていた。製造業、特に自動車関連企業は、春にかけての新卒者の大量需要のために繁忙期となる。農閑期と製造業の繁忙期とが重なって、労働力の需給バランスが保たれていた。それがこの国の…
タクシー減車法案で考えたこと タクシー物語

タクシー減車法案で考えたこと

改正タクシー事業適正化・活性化特別処置法が成立した。来年4月から施行されるそうだ。新聞やネットでの声は消費者(利用者)と事業者ばかりで、運転手の声は聞こえてこない。なので生の声を書く。 「ハッキリ言って、ありがたい。規制万歳。自民党バンザーイ。アベノミクスキタ━(゚∀゚…
脱年賀状 非正規雇用について

脱年賀状

自爆営業の季節。こんな悲劇が生まれるのなら、もう年賀状なんて止めませんか? 脱原発は難しいとしても、脱年賀状なんてのは個人レベルで出来ることなんだから、今年は年賀状を出すのを止めませんか? でも脱年賀状ということになればなるほど年賀状が売れなくなって自爆営業に拍車がかか…
忘年会の季節 タクシー物語

忘年会の季節

タクシー運転手になってよかったことのひとつに、忘年会とか新年会、冠婚葬祭なんて行事とほとんど無縁になったということがある。面倒くさい。大勢で飲んで楽しいのは20代までで(いやその20代でも無理にテンションを上げていたんだけれど)オジさんになってくると、せいぜい数人でそれ…
豊橋漂流(2) 豊橋漂流

豊橋漂流(2)

こんな風に季節は変わるのかなあ、なんて思っている。だって水不足で暑かった夏の痕跡がそこいらにあって、例えばボクの日焼けした二の腕にも夏は残っている。いきなりの冬で、まだ準備もできてなくて、海に行けば海水浴客がいそうなぐらいの、それぐらいの時間しか過ぎていないはずだ。 冬…
B1グランプリと交通事情(豊川大会で考えたこと) タクシー物語

B1グランプリと交通事情(豊川大会で考えたこと)

開催前の来場者予想は40万人だったのだけれど、終わってみれば予想を大きく上回る58万人だった。(2日間の合計来場者数 581,000人、11月9日(土)の来場者数323,000人、11月10日(日)の来場者数258,000人、主催者発表)予想できなかったその差18万人が…
B1グランプリなう

B1グランプリなう

人人人…そして、ひと。 9時30分に会場に着いたのだけれど、すでに長蛇の列。ああ、そうか、開場が9時30分ではなくて、グルメの提供が9時30分からだったんだね。おそらく、早朝からかなりの数の人が並んでいたに違いない。 「待ち時間30分」…。食べては並び、並んでは食べる。…
B1グランプリ前夜

B1グランプリ前夜

池船町にあった天野食堂は、あの頃、もう70歳を前にした老夫婦が細々と経営していた小さな店だった。メニューは「朝食」「焼きめし」「ごまだしうどん」、それに「鳥天」だけだったように憶えている。それでもそのひとつひとつを丁寧に作っていて(たぶん夫婦ふたりだとそれぐらいが限界な…
豊橋漂流(1) 豊橋漂流

豊橋漂流(1)

高度成長期という時代には夢や希望もあったのだけれど、哀しみもたっぷりとその背景にはあったと思う。今年来年と還暦を迎える人たちは、ちょうど豊かさと貧しさの間、残酷な時代に大切な青春という時間を過ごさなければならなかった。 紡績が盛んだった豊橋市にも、東北や九州から中学を出…