B1グランプリと交通事情(豊川大会で考えたこと)

開催前の来場者予想は40万人だったのだけれど、終わってみれば予想を大きく上回る58万人だった。(2日間の合計来場者数 581,000人、11月9日(土)の来場者数323,000人、11月10日(日)の来場者数258,000人、主催者発表)予想できなかったその差18万人が交通機関で起きたパニックの原因だろうと思う。
電車もバスも臨時便を増発したのだけれどそれでは間に合わず、会場周辺の各駅、もちろん豊橋駅も「大パニック」になった。タクシーも忙しかったのだけれど、電車やバスのように乗車率100%を超えて運行することがないため売上には限界がある。前年同日比140%の売上の増加というところだっただろうか。
タクシーだけを考えると、周辺道路の渋滞はそのまま減収を意味する。動かない分メーターが上がるとしてもたかがしれている。回数と距離を増加させたほうが効率は良いに決まっている。例えば豊橋駅~会場間を1時間かけて1回客扱いするよりも、1時間2回するほうが利益率は良い。1人乗せようが4人乗せようが運賃は変わらないのだから、収益曲線は必ずしも来場者数ひ比例しない。
実は混乱することを恐れてここでは書かなかったのだけれど、豊橋駅(東口)から各会場間、その反対も定額2500円でタクシーは運行していた。渋滞が予想されたから定額にする。1時間かかっても2時間かかったとしても2500円、客にはありがたいことでもドライバーにとっては迷惑な話で、かなりの数のドライバーが「行きたくない」と思っていたし、駅周辺に近づかなかったドライバーも多かった。(通常、豊橋駅豊川駅間は2500円を超える。損をしてまで「おもてなしし隊」人は希だ)
そんな定額運行ということもあって、大パニックの割にはタクシーは忙しくなかった。

64 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2013/11/09(土) 14:27:00.70 ID:tQ3JiEhM0
これはタクシーの運ちゃん歓喜だろうな

なんて2ちゃんねるの声があるけれど、ぜんぜん喜んでいない。2日目なんてのは初日より悪く、前年同日比120%増って感じだった。
歓喜した、要するに利益が出たのは(主催者側を除く)
1、宿泊施設
2、JR
3、名古屋鉄道
4、豊鉄バス
5、高速道路
6、タクシー
という順位になると考える。
豊橋駅は開業以来の人出だったそうだ。それゆえ混乱混雑にたいする対処法もなく「カオス」状態になったのだろう。「誤報」が出たということも「カオス」化を更に促したし、2両編成で運行したというマネイジメントの不備と、飯田線のキャパシティ不足も要因だろう。
東三河地区が力を合わせての開催ということだったのだけれど、いくら力を合わせたとしても軽四輪車を5台つなげてもバスほど人数を運べないし、フェラーリほどスピードも出ない。逆に力を合わせて開催するしかなかったということが「カオス化」なんて揶揄される混乱混雑に繋がった。開催地だけでは賄いきれなかった宿泊施設や駐車場スペースがさらに交通インフラの大混乱を招いたという理由なのだ。
一部マスコミでは

会場周辺の大渋滞も懸念された大会初日だが、大きな渋滞や混乱はなかった。
大会本部や豊川警察署によると、会場周辺には駐車場がないことや、大会本部が周辺に大型の無料駐車場を確保し無料のシャトルバスを走らせたことなどが奏功した(東愛知新聞)

なんて書いているところもあったのだけれど、「大きな渋滞や混乱はなかった」のは午前中の、それも表面上の道路状況で、終了直前の14時25分に起きたJR飯田線の踏切人身事故発生後から交通インフラ全体がパニック状態になった。タクシー利用のピークもこの時間に訪れた。そしてこの影響が結局夕方まで続き、東名高速道路も豊川~岡崎間14キロの渋滞という普段では起きない箇所での渋滞が起きる原因になったと思う。
臨時便による事故ということを考えると、B1による犠牲者と言えるかもしれない。亡くなった女性は「まさかこの時間に」なんて、電車が来たことに驚いたのかもしれない。いつもは安全な時間帯なのだから。彼女の死を考えると、成功と手放しで喜んでいいものかと思う。
さらに「周辺市民の日常生活に支障が出る」なんて地元の人の批判的な意見も聞かれたことも含めて、会場には市街地を避けて移動手段が安全に取れる場所が今後求められる、というか、豊川大会の失敗点はそこだと思う。会場を複数に分けたことが移動を複雑なものにし不測の事態を起こした。逆にそのことが複数の交通関係者に利益をもたらすことにもなったとしても、来場者にとっては不満の多い会場設定だった。ボクも並んで食べて、並んで移動、並んで食べて、なんて面倒なことはしたくなかったので早々に立ち去った。
来場者数と売上(売上/来場者数)の大会ごとの数字を見て見なければ分からないとしても、じゃあ人が来ればそれで良いのか、なんてことにもなりかねない。来場者数ばかりがニュースに流れる。そして出店者のドラマだけがクローズアップされる。来場者の満足度ってのは置き去りにされる。ボクのように2000円分買ったクーポンの300円しか使わなかったなんて人もかなりいて、なんだかそれはそれでサギだなあ、なんて思ったりもする。
結局、経済効果はかなりあったのだろうけれど、ボクたちタクシー業界にとっては騒動の割には儲からなかったイベントだったし、列車事故で1名の貴重な人命を奪ったということを考えると、交通に関わっている労働者には「ありがためいわく」どころか「不幸」なイベントだったように思う。いったい誰が得したのか?ボクたちにとっては58万人というボリュームにしては利益が少なかったし、今後の利益に繋がるかと言うと、地元の顧客に迷惑をかけたということを差し引いて、これまた少ないと思う。
本当にこの地域のためになったのかということは、財政支援をしてそして山脇市長が実行委員長だったのだから、キチンと検証しなければ迷惑のかけっぱなし的なイベントになりかねないと思う。直接利益のあったボクたちはいいのだけれど、ボランティアとして協力した人たち、団体はさらに「迷惑なイベント」に終わるかもしれない、そう考えたのだけれど。
#まあ、交通労働者はこんな特殊な特異なイベントなんてうれしくないってのが本音なんだけれど。
5位 久慈まめぶ部屋
90分も待てなかったので、5位になった話題の久慈まめぶ汁も、食べることができなったのは、結局誰のせいでもなくて、歳のせいだろうね。
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東愛知新聞(2013/11/09) JR飯田線「鴻の巣踏切」で列車にはねられ死亡・豊川署

9日午後2時25分ごろ、豊川市中条町のJR飯田線「鴻の巣踏切」(遮断機、警報機付き)で、線路内に立っていた20歳代の女性が豊川駅発豊橋駅行きの臨時列車(2両編成)にはねられ、病院に運ばれたが死亡した。乗客、乗員約350人にけがはなかった。

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