期間従業員になった理由

「終身雇用」が見直されている、というかそれを望む人が多くなっているようですね。少し前までは独立だ、起業だ、転職だなどと叫ばれていましたし、社会もそれを煽動していました。一体どれほどの人たちが転職したり独立起業して成功したのでしょうか。

企業自体その終身雇用を否定していたふしもありますし、それを促すような制度もあったようです。そういった風潮の中で愛社精神は存在するのでしょうか。これは一個人の問題ではなく国家的な問題なのかもしれません。また昨今のM&A問題などで「会社は株主のものだ」なんて発言がありましたが、確かにそれはそうでしょうが、そうなるとなお更、従業員の愛社精神というものは希薄になってしまうのではないでしょうか。個人至上主義において愛社精神や愛国心なんてのは発芽しないもののように思うのですが。

ボクも転職をしようと前の勤務先を辞めました。転職先が決まってから辞めたのではなくて、「雇用保険をもらいながらどこか探すか」と思っての辞職でした。辞めた最大の原因は上司との意見の不一致でした。それが何度か続くと不信感になっていきましたし、自分の存在価値なんてものを考えるように至っては日々憂鬱でした。それで結局転職を決意したのですが、いざ職を探すとなるとなかなか思うようになりませんでした。

前職での経験というものは、同じ職種でしか通用しないようにも思います。同じ職種というか、同じ会社でしか通用しないと言ったほうがいいでしょう。社内教育なんていうのはその企業だけでしか役に立たないことを学んできたようなものでしたし。

ハローワークに通う日々が続きました。それが日課になりました。面接して合否が分かるのは10日後とか2週間後、月日は思ったより早く過ぎました。何度目かの不合格の通知を受け取った時、やはり自分が全否定されているように感じました。面接というものにアレルギーが出始めていました。精神的重圧に押しつぶされそうにもなりました。3ヶ月というのは思ったよりも早く過ぎました。少し貯蓄もありましたし、年末の宅配便の仕分けアルバイトなどもしましたが、目減りする日々に不安も増しました。

適職診断テストなんてものがありますが、自分に合った職が分かったとしても、採用してくれる企業がないとどうしようもないですね。また、そういった職業訓練を受けて資格を取得しても、就職とは別問題のように思います。そうなると「なにをしたい」ということはどうでもよくなりました。「どこが採用してくれるか」と「賃金」だけが基準となりました。その二つの条件をクリアしたのがトヨタの期間従業員でした。

「どうして就職しないのか」と聞かれました。ボクやボクたちにとってトヨタ期間従業員として働くということは就職と同じことなのです。6ヶ月の契約じゃないかと思われるでしょうが、それからまた就職活動がまっているのです。

確かに6ヶ月働いて、失業保険の給付を受けてまた6ヶ月働くという、所謂期間工スパイラルという生活を送っている人もいます。それはそれで必ずしも楽な生き方だとも思いませんし、社会保険料や所得税は支払っていますから、社会に貢献していないとは言えないと思います。

それに出稼ぎという人たちもいます。地方の就職難という理由もあります。いろいろな理由でトヨタ期間従業員として集まってきていると思いますが、ほとんどの人が働くということに対して真摯な気持ちで向き合っていると思います。楽して生きようなんて考えてないと思います。期間従業員として働くということ自体、そんなに楽なことではないということは周知の事実でしょうから。

また若い人の何割かは正社員登用ということを念頭に働いていると思います。横浜ゴムの期間社員募集の広告に「期間社員としての数ヶ月間は、当社での業務を覚えていただく、いわば研修期間と考えてください。」というのがあります。研修社員という位置付け、これが正社員を目指す期間従業員の考え方に合っているように思います。なんの保証もない道程なのですが、「頑張っていれば認められる」と思っているようです。期間従業員としてトヨタで働くことが、彼らの夢への一歩なのでしょう。

期間従業員として「働こうと思った理由」というものはそれぞれに違うかもしれません。しかし決して甘い気持ちで働いているわけではないし、それが出来るほどトヨタも甘くないと思います。「適当に半年やっとくか」なんて気持ちでトヨタの品質が維持されることはないと思います。

ですから期間従業員として「働く理由」は、正社員だろうが期間従業員だろうが派遣社員だろうが同じはずだと思います。それは良い車つくりじゃないかと考えているのですが…。

5件のコメント

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    保険の種類について

    ≪終身保険≫
    被保険者が死亡した場合に保険金が支払われます。
    保障は生涯続きます。 満期保険金はありません。
    保険料の払い込みには、有期払込(一定年齢か一定期間で満了)と、一生涯払い続ける終身払込があります。
    貯蓄性があり、長期間継続後の場合、解約

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    こんにちは。
    失業給付の受給はおっしゃるとおり「7日の待機期間後」になるようですね。これは一般被保険者も短期雇用特例被保険者(出稼ぎ労働者手帳を所持している人)も同じです。
    入社までもう少し時間がありますね。6月だとちょうど正月前に満了と言うことですね。良いタイミングかもしれませんね。新年から新しい気持で再出発できそうだし…。

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    たびたび、お邪魔してすいません。
    一太郎です。
    管理人さんにお聞きしたいのですが、契約満了の後、失業保険の待機期間は期間工の場合は7日ですか?ちょっと気になったのでお願いします。

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    こんにちは。6月11日に入寮ですね。次の日が健康診断で、早ければ火曜日の夜には配属先が決まりますよ。これから暑い時期に向うので、お互い元気が一番で、頑張りましょう。てか、ボクはあまり自信はないのですが…。
    あ、ブログがあるんですね。あとでおじゃまします。

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    初めまして、一太郎です。2006/06/11より、トヨタ期間工として半年間がんばります。

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