期間工都市伝説について

仮にフルラインロボット作業だとしても、まったく同じ製品ができるとは限らないのではないだろうか。

期間工 – Wikipedia
「自動車は、熟練した辛抱強い期間工が作り上げる3月に作られたものが最良。新米が作る4月のものは最悪」という都市伝説があるが、フルラインロボット作業で作られる自動車もあるし、熟練した期間工が嫌々作っている可能性もある。また期間工募集、入職も通年行われており、どの月であろうと新米期間工がいるのが実態であり、この説は間違いである。

全てがロボット作業で車が作られているのではなくて、かなりの工程で人の手が加わっている。それはレクサスLSでも同じことであり、人力作業のほうが多く、そしてその作業員も非正規雇用比率が40%を超えるのが自動車工場である。

なんていうか、今年も寂しい花見の季節になったんだなあ、なんて考えているんだけれど、ま、なんだ花日記なんてのをつけていたころもあって、そんな余裕のある暮らしってのに、今は憧れるかなあ。誰か、オレを花見に連れてけ。
この3月最良説というのは、出稼ぎ労働者として農閑期10月から3月まで期間工として自動車工場で働いていた人たちが多かった頃の話とすると、なんの不思議もない話である。実際今年も3月の新入期間従業員が毎週300人を超えてあったことを考えると、「多かった頃の話」ではなくて、現在も出稼ぎ労働者の大きな受入れ口になっているのだろうと思われる。
とすると、この都市伝説は必ずしも「間違い」とも言えないだろうと思う。確かに「どの月であろうと新米期間工がいる」のだけれど、上記理由からその比率は3月4月が多くなるようである。となると、やはり自動車の品質は3月最良、4月最悪ということも言えるのではないだろうか?
しかし「熟練した辛抱強い期間工」という、半年間で熟練という域まで達するように、作業を標準化しているのがトヨタで、その教育システムがあるからこそ40%という非正規雇用者比率で操業できるのであり、それがトヨタの利益に繋がっているということを考えると、熟練非熟練というキーワードは、品質にはそれほど関係ないように思われる。
おおよそ、どんな作業でも2週間をめどに訓練を終了し、一人前の工員としてライン作業に従事するようになる。その作業には、品質維持というか向上のための仕組みがあって、単純なミスを起こさない施策を施されている。だから非熟練工での自動車造りということこそが、トヨタのライン作業といえるのではないだろうか。
ただ、熟練を要する工程がないというのではなくて、そのような特殊な工程には正社員が働いていている場合が多いのだが。
ロボットよりも人の手のほうが多く触る自動車なので、1台1台すべて同じものかと言えばそうでもなくて、微妙に違っている。しかし許容範囲ないの違いなので、比較してみないと分からないだろうし、見た目に「あれ?」なんてこともないだろから、やはり、これだけ人手に係っていながら、高品質を維持しているということは、スゴイ事なのかもしれない。
ま、でも、最良最悪なんてのはないにしても、完璧かどうかなら、やっぱりあると思うんですよ。ま、設計図との誤差が0なんて車はない、と思っているんだけれど…。てか、建付けなんかは、やっぱり人の目とか手触りとかのほうが数字よりも優先される、なんてこともあるようだから、全長が5ミリ長いとかいうものもあったりするかもしれないなあ、なんて思ったり。でも、買うときに量って買うような人とか、あまり、てか、いないだろうし…。いるんだろうか?
「おい、このドアの部分の塗装、薄いぞ」なんてクレームあったりするかも?

4件のコメント

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    北斗星さん、こんにちは。
    そんな工程ありますよね。訓練に2~3週間、もっとかな、かかるような工程がありますよね。
    ま、組み立て(完成車)を基準としますから、ボデーやセルなんてのはタクト調整はしてるようですね。だから、「あれ」と思う時もありますもんね。1秒2秒なんですが、早いですよね。
    #えっと、まだ、バグなんすかね。ハローワークの憂鬱にコメントが載ってきますよ?(^^;

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    自分の持ち場は熟練を要する工程でけっこう難しいです。でも、体力的にもキツいせいか基本的に期間従業員が担当します(笑)
    しかも、ナイショでタクト早くされてますよ!

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    なにこさん、こんにちは。
    あはは、そうそう、決算期で数字を出すのが3月で、新古車なんてわけの分からない車も多くなる時期かな。
    コストカットといえば、まず人件費かも?トヨタだって、人の数は減らさないとしても、そこにかかる経費は減らしていますからね。要するに非正規社員を使うという手段で、ま、10人の正社員に4~5人の非正社員というような割合だろうと思います。この10人の中には管理職もいますから、7対5、現場によっては5対5なんてことにも。
    値崩れ、トヨタが決定しているという、ことはないか。

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    こんにちは。
    私もあのウィキを以前見た覚えがあります。
    年度末のディーラー決算時期という事で、一年で一番車が売れるのも3月ですよね。
    で4月は一年で一番車が売れない時期ですが…まさか、すべての消費者が工場がどうのなんて考えるはずないですから…(笑)
    ある本で、一台の車に使われる鉄の原価は75000円、ということが書いてありましたが、最終的に原価率8割で何百万にもなるのは、人の手がたくさんかかるから、
    人件費は簡単に下げられないから(下げてはいけないものだから)、家電みたいな値くずれが起きないんでしょうね。

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