盆帰り(再掲)

「おどま盆ぎり盆ぎり、盆から先ゃおらんど、盆が早よ来りゃ 早よもどる」というのは、五木の子守唄でしたか。悲しい歌ですよね。
昔、熊本の五木村周辺の山間部に住む人々の生活は厳しくて、子供も10歳にならないぐらいの時に奉公に出されたと聞きます。奉公と言っても、食い扶持を減らすためのものですから、給料もないような雇用契約だったようです。子守として奉公に出された娘たちの悲しい物語が、この五木の子守唄です。

お盆までの期間従業員ということもあるでしょうが、「お盆になったら帰省できる。もう来たくないよ。」というのが、娘たちの思いだったのかもしれませんね。それが「盆ぎり、盆ぎり、盆から先はおらんど」となったのだとボクは考えています。きっと、お盆休みが終わっても、また親元を離れて子守の仕事をしたのでしょう。
熊本県・五木村公式ホームページ
お盆や正月までというキリの良い期間での奉公というのが一般的だったのかもしれません。女の子だと子守や家事の仕事、男の子だと商店の丁稚や力仕事もあったことでしょうね。
なにも期間従業員というシステムは今に始まったことでもなく、自動車工場だけが「絶望」するものでもなかったのです。そしてそう古くない過去には、集団就職なんていうものもあり、中学校を卒業すると故郷を離れ都会へと就職したのです。その頃までは、このような就職が個人の目的のためではなくて、家族のための「口減らし」ということ意味合いも持ってたのだろうと思います。仕送りもしていたのでしょうから。
正月やお盆というと、そういった地方から働きに来ている人たちにとっては、「盆ぎり、盆ぎり」と考えてしまいたい日々だったのでしょうね。なにも五木の子守唄の時代だけではなくて、その頃も、そして、今は出稼ぎや期間工といった現在の年季奉公の人たちにとっても、五木の子守唄は歌われているのだろうと思います。
「おどんが打っ死んだちゅうて だいが泣いてくりゅうか うらの松山蝉が鳴く」
さて、その盆の帰省ですが、ゴールデンウィークは高速バスで帰りましたが、今回は「青春18きっぷ」を使って往復しようと思います。これだと、往復で1万円強ですから激安です。ただ普通車しか乗れませんので、時間はかかります。20時間以上はかかると思いますが、仕事をしていると思えば、冷房の効いた車内で本でも読みながら過ぎ行く20時間なんて…と思っています。
「盆が早よ来りゃ 早よもどる」
トヨタのお盆休みは8月12日からです。
(2007年のお盆休みは8月11日からです。)

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