トヨタ、コストとリスク

寮の掲示板には「23日(月曜日)の一直の稼動に関しては、本日(21日)15時に判断されます」とのアナウンスがありますが、一直、6時30分からの全工程の稼動はかなり難しい状況だろうと思います。

豊橋の花火は自給自足。そして花火は見るものでも、上げるものでもなくて、浴びるものだと…背中が言ってます。
そんな中、ニュースでは今回の操業中止について「JIT(ジャストインタイム)の脆弱性」などといったことが語られていて、諸手を挙げて絶賛していたTPSに批判的な論調も見受けられますね。

新しい人たちへ : 人命かトヨタか
災害支援ボランティアの受け入れが始まったばかりであり、また生き埋めになった被災者
の救助活動も続いているそばで、たかが自動車メーカーの都合を優先する応援に全国から
700人も来ていながら、だれ一人ふつうのボランティア活動には携わっていない。リケンの手助けが終わったらさっさと帰るらしい。
人命よりもトヨタが優先 なのだ!!

ボクも昨日のエントリーでこういった何か歪な現象を書いたのですが、資本主義の病というのはなにも今回のことばかりではなくて、環境問題にしても南北問題にしても、経済(企業)が全てに優先されるということなのです。
そして順序を逆にして、例えば人命とか環境とかが最優先されるなんて理論は、それを書くと「競争はダメなのですか」とか「トヨタがなくなったらいったい何十万人が路頭に迷うと思ってるんだ」なんていうことを言われる。

指月庵閑話:新潟の地震
本当に可哀想なのはリケンの社員だよ。
自分の生活も儘ならんのに、
休むことなく、
仕事最優先で工場稼働させなかんもん。
心身共に疲れ切ってしまいますよ。
ホッとした頃に体調が悪くならなければいいが
と心配しております。

イオンやコンビニ各社などが救援物資を送るその横でトヨタの「応援」の姿がクローズアップされる。これが、ボクがいう下品さなのですよ。渡辺社長が「天災だからしかたない」なんてコメントしていましたが、しかたないんじゃなくてもっと優しさが「見える化」すべきだと思うのです。また国内販売が落ち込む原因が出来ましたね。
今回の件もコスト削減のためにかかったコストなのですが、操業停止した分はどこかで取り戻せるのでしょうが、これだけのニュースに流れて、そして「人命よりは」なんて言われるに至っては、そのイメージダウン分の損失は、なかなか取り戻せそうにないと思っているんですが…。

全トヨタ労働組合(ATU) 週末のトヨタ
以前からこのシステムは、企業にはコストはかからないが、社会的コストはかかるという指摘を受けてきましたが、今回の件で、非常時には通常のシステム以上にコストが企業にもかかることが明らかになりました。
もちろん、部品供給の分散化・複数供給にシフトを移すのは目に見えていますが。

今回のようなシステムクラッシュのセーフティネットとして「部品供給の分散化・複数供給にシフトを移す」のだろうし、海外での生産を増やすのでしょう。そして、そういったことが、今度は国内の生産力や技術力を削減するということなのでしょうが。

二線譜の調 トヨタ式生産方式の疑問
昭和の時代、高度経済成長の
中で右肩上がりの成長を続けていた頃とは訳が違うのは
分かるのだが、第一次産業を含め余りにも海外依存の高い
日本の台所事情に不安を隠せないのは事実である。

と、まあ、日本国内での自給率が減少すると、今度は安全性を犠牲にして、そして産業構造、雇用構造までも変えてしまうということになって、逆行の出来ない発展という道を進んでしまうのですが…。

山小屋でまったりと: トヨタ方式の脆弱さ
ところが欲に目が眩んだトヨタは、ろくな「カイゼン」もせずにカンバン方式を展開し、天災・人災がある毎に操業停止に追い込まれているんだな。近年で見ても、1995年の阪神・淡路大震災や2000年の東海豪雨災害、年度は失念したけどアイシン精機(エイダブリュだったか?)の工場火災等、事有るがごとに需給逼迫で操業停止・生産調整を強いられているのである。
ところがこんな綱渡り経営を、べた賞めする御用ライターが近年は掃いて捨てるほど現れ、納こも杓子も「トヨタ方式」に右に倣え!バカじゃないかと思うね。カンバン方式の脆弱j性は既に28年前に証明され、トヨタ式カイゼンは根本からの問題解決にはなんの役にも立たない事が証明されているじゃないの。

東海地震が起きたとしたら、カンバン方式もTPSもなにも、操業停止が長期化するのだろうし…。マグニチュード6以上の地震の20%が起こっているこの国にあるということは、もうかなりのリスクを背負っていると言うことなので、そうなるとやはりその20%をどう考えるかが、リスクを最小限に抑える方法だろうと思ったり…。
ま、トヨタは海外に生産拠点を移していて、日本での生産比率を20%以下にして、もしもの時はどこかで、なんて考えているのでしょうが、そうなるとmade in Japanってのはいったいどうなるのだろうと。
関連企業の建屋をマグニチュード8でも大丈夫なようにするとかのほうが、将来的には安心できるのかもしれないと、思ったりもしています。朝三暮四……ってことなのかもしれないですね。

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