濡れる男

人生がゲームだとしたら……
土砂降りの雨の中を濡れながら歩いて弁当を買いに行ったり、駅から帰ったりすることは、何かの罰ゲームなのだろうか。

その男は紅い傘を差していた。
右手に差していた。
雨を避けるためにその右手は微妙に動いていた。
風の方向へ動いていた。
そうすることが男にとって唯一の生きているという証のように。
小刻みに、そしてリズミカルに動いていた。
同じく右肩にはバックを持っていた。
その中身はきっと2リットルのスポーツドリンクほどの重さなのだろう。
それぐらいの角度で地面に向って傾いていた。
そしてそれぐらいの重さの人生について哀しんだ。
足元の水溜りを避けるだけの毎日を哀しんだ。
雨の日は嫌いではなかった。
想い出はいつも美化されていた。
雨は冷たかった。
雨は悲しかった。
雨は男を濡らした。
男は思い出からスルリと脱け出した雨の実体を見る。
男にとって雨は悲しさそのものだった。
避けられずにいた。
そしてその中にいた。
雨は男の中ではもう嫌悪するものになっていた。
そして時間がその感覚を消化する。
雨は嫌いではなかった。

濡れながら思ったのだよ。
仕事中は汗でパンツまで濡れて、休日は雨でズボンもシャツも濡れて…。これはきっと罰ゲームなんだろうと。
「どうしてこんなところを歩いているんだろう」なんて。
傘がね、小さすぎるんだよ。ユニクロの500円の傘はね。おまけにボクってば、カメラまで持ってたから、それを濡らさないように身体が濡れてしまう。少しずつ少しずつ身体が冷えてくる感じ、そして少しずつ増してくる陰鬱さ。
こんな日は、部屋にいて、そして何も考えずにゴロゴロしたほうが良いのだろうね。お腹がすいたら…もうすぐ食堂も開くから。

4件のコメント

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    >名無しさんへ
    凄くは取り上げてないけれど、たまに取り上げていますね。ま、それがブログですから。
    『政治の何が嫌だの、生活が辛いとか、社会保険庁がどうだとか…。
    そこまでして日本人をする意味も日本にいる理由もないんじゃない?』
    ってことと同じことをあなたは言ってるってことを、あなた自身が気付いてください。
    >北斗星さんへ
    キャナルに「すみれ」があるのかあ。今度行ってみたいと…。
    そうですねえ、特に年齢が高くなるとトヨタしか選択できなくなったり…。若い人は、どこでもあるのでしょうが。ボクも人ごとではないのですが。
    えっと、ま、こんなところでいろいろ書いても、何も変わらないとは分かっているんですが…。
    23日ですか。って来週。本社地区も名古屋は近いし、楽しいかもしれませんよ。希望しても田原になるってこともあるようですが…。
    今週は39人だったかな。赴任者が少ないのが気になりますが、たぶん、これから、ど~んと入るのかも?
    富士見より、仮設を除く田原寮とか吉胡のほうが…。

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    ↑そう思うなら見なきゃいいだろ!イヤでも期間工に行かなきゃならない人間もいるんだよ!

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    食堂の何が嫌だとか、期間工の仕事が辛いとか、ここの寮がどうだとかそういう事会話の中で凄くとりあげてますよね?
    そこまでして期間工する意味も田原にいる理由もないんじゃない?いくつかしらんけど良い大人だろ????

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    いや、台風ちょっとひどすぎますね。でも、こういう大型の台風というのは秋、というイメージがあるんですが、たまたまなのでしょうか?自分はなんでも地球温暖化に結びつけてしまう単純な人間ですから、怖くて仕方ありません!
    でも、せっかくの3連休なのに、天気悪くて残念ですね。
    さて、トヨタからの召集令状がきました。7/23収監となりました(笑)
    今回は管理人さんの嫌いな本社地区を希望しようと思ってるんですけど、どーせ田原でしょうね。田原だったら、また富士見に行ってやりますよ!
    あ、衣父さんは来週ですか?北の国人にとっては、あの暑さはたまりませんが、くれぐれも体調には気をつけて下さいm(_ _)m

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