相違工夫

例の肉屋のオヤジ、やっぱり島田洋七にちょっと似ていて、「かばいよねえ」なんてひとり笑い…。
ボクがいた頃のエチオピアでの事件なんだけれど、エントットという首都アジスアベバの学園都市みたいな場所にあった肉屋で、やっぱり牛肉にジブ(ハイエナ)の肉を混ぜて売っていたということがあったそうで。これはなにがなんでも酷すぎる話で、それ以来、なんだか肉を食べるのに勇気がいるようになって…。
エチオピアでは生肉やミンチ肉を食べる食文化があって、半生の牛ミンチの料理なんてのはボクも好きだったのだけれど、今思うと、あれってけっこう危ない食べ物だったんだなあ、と、ま、思っているんです。生食だからサナダムシにやられる人がかなりいて、1メートル以上ものサナダムシがお尻からチョロチョロ…。夜行性らしいので(?)、夜中にチョロチョロ…。痒いらしいのです。ま、薬で体外に出すのですが、ま、きしめん状のサナダムシを見たら、きっと「もうきしめん食えないじゃん」と思うはず…。

話を戻して、ハイエナの肉を混ぜるというのは言語道断なのだけれど、きっと牛肉に羊や山羊の肉や内臓なんてのは恒常的に混入していたんだろうと思ったり。きっと食品衛生法とかの法律がない、あるいはあってもユルイところだったので、きっと色々なことが行なわれていたのだろうと…。ミートホープ社の社長も驚くようなことがあの国では行なわれていたのだろうと思っているんだけれど。
食品業界では、そんな異物混入は禁じ手なのでしょうが、製造業では挽肉に水を混ぜて量を増すというようなことは(増すようなことですよ。例えば減らすようなことなんかも。アルミと鉄の配分を変えるとか、ボルトの長さを短くするとか)行なわれていて、コストカットということで、そういったことは善だとされていますよね。
トヨタの創意工夫なんてのは、ありとあらゆる面や点や線からコストカットの方法が考えられているということでは、もう車が本来持っていただろう「味」なんてのは、消失してしまって、違うものになっているのだろうと思います。ま、強度なんかの安全性が保証されれば特に問題がないのでしょうから、牛肉100%が合挽き肉鶏肉入りなんてものに変わっていても、いや極端に言えば魚肉100%になっていようが、問題ないわけなんだから…。
車の味、あのコーナリングでのボルトのきしむ音、シャッシーが前側にスライドする感じ、そしてタイヤがG側に微妙にズレル音、タペットの伝わるわずかな振動……なんてのが、今はもうなくなってしまっているのだろうと思うのです。
というか、ボクたちは本物の牛挽肉の味、じゃなくて、車の味をしらないのだから…。
そしてリサイクル。賞味期限が切れたコロッケどころか、もう食えない、じゃないく乗れない廃車から集めてそれをリサイクルするというのが自動車産業ですし、リサイクル率が高いほど良いことだとされているのですから…。純粋に新車なんてのはもうこの世には存在しなくて、例えば霊なんてのを信じる人は再加工される前の前の前の…車になにがあったのか気になって気になって…というか、何かいろいろなものが憑依しているじゃん、なんて車には乗れなかったり。てか、もとをたどれば1台だった…なんて。
これも資本主義の病、大量生産、大量消費、利益最優先ということを追求した結果でしょうから…。本物の味どころか、遺伝子組み換えなんかで、その物がなんだったのか分からないようなことが起きつつあるのだから、ボクたちが見ているのは車ではなくて、違うのもへ変わっていく過程の車と呼ばれていた物、なのかも知れないですね。
で、そのかばい社長の愛読書が「トヨタ生産方式とは」だったということらしいのだけれど…。本当なのか?

4件のコメント

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    こんばんは
    >北斗星さんへ
    ありがとうございます。
    えっと、ま、いつか聞いたコンビニ弁当の件にしてもそうですが、食品関係ってけっこうエグイことやってるんだろうなあって思っています。
    ボデーは、かなり薄い鉄板ですもんね。「一斗缶ぐらいの感じだから」なんて表現されていたり。ま、工夫して強度を出しているのでしょうが…。そんでも、一組立だと…プラドかな、なんてのは、けっこう厚いほうでしょうし。
    ま、部分的には凹になるようところもあるでしょうが、触っただけでは…ねえ。
    ブログ、こんど教えてください。
    >maskalさんへ
    お久しぶりです。
    でも、農園のほうのブログでは見かけてますよ。そのブログで話題になっていたインジェラを食べたことありますよ。原料はエチオピアから送ってもらっていて、そんで奥さんの手作りで、あれは、本当の味だったなあ。
    Nさんちも、子供が大学受験だったかな。下が小学校で…。大変みたいです。名古屋だから、豊田市にいるときはたまに遊びに行ってました。
    ブログ…
    文章が長いから、面倒くさくて「時々」なんだろうなあ、って、思ってるし?
    ま、相変わらず、あの頃と全く変わってないです。少し年取ったかな。びっくりするぐらいヤングですから…。リアップにプロペシアで、フサフサだし…いやマジで。
    サナダ、そっか、飼っていたんですよね。お腹の中で。
    ま、トヨタが日本を代表とする企業ですから、そのまねをすれば儲かると、そうそう、郵便局までがTPS(トヨタ生産方式)をパクッてJPS(ジャパンポストシステム)ってのをやってますもんね。
    トヨタでは、どんな無駄なカイゼンでも取り上げて、社員のカイゼンに対する意識を高めているみたいですね。「こんなのダメだよ」とか「ダメ」は禁句になっているような。
    ま、社員に創意工夫、カイゼン提案を出させることで、「やらせる」ということなんだと思います。
    いつもそのあたりの駅で寝てたりするので、今度はなんかおごってください。
    てか、またコメントしてください。

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    きしめんはもちろんカレーうどんも食べなくなった元エティオピア住人です。(ついでに稲庭うどんもダメです。)
    毎日のブログの更新、文章の量も長いので大変でしょう。どんなことしてるのかなぁ。と、時々訪問させてもらってます。
    うちの会社もいくつものグループ会社に分かれ、それぞれの会社の業績により賃金に差が出てきたし、年齢給より成果主義になって、同期で入社した連中も様々です。
    製造業でもないのにKAIZEN活動を行って、業務を効率化せよといわれるし...。KAIZEN発表会の準備をするのが一番ムダだっていうのに。
    安全第一!といって社員の安全教育をするのも、一度事故が起きたらそれの対処のために何十倍もの代償を支払わねばならないからという利益最優先の結果なんだよな。
    例の肉屋のオヤジさんも偽装なんて小賢しいことをせずに、魚肉ソーセージみたいに、合挽きハンバーグとして安売りすれば良かったんだろうな。 私の友人は、冷凍豆腐ハンバーグで儲けています。
    とりとめの無いことを書いてしまいましたが、暑さに負けないようがんばってください。

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    ↑名前入れ忘れましたm(_ _)m

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    再開おめでとうございます!安心しました。
    でも、まだトヨタに行くって決めたワケじゃないですよ。考え中です(笑)
    自分はもともと飲食関係なので、今回のミートホープ問題は他人事じゃなかったですね。でも、不二家といい今回のミートホープといい、氷山の一角ですよ。
    トヨタでも、変形するからボデーやフードに手をつくなと言われた時は驚きました。
    そんなんで乗員の安全が守れるのか?って思いました。でも、乗員の安全第一に考えたら装甲車みたいになっちゃいますね。
    最近、自分もショボい携帯ブログ始めたので、なかなか来れなくてすみませんm(_ _)m自分で書くようになって、改めて管理人さんの文才のスゴさを再確認しました!
    工場も外も暑いでしょうね。大変でしょうが、がんばって下さい。

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