身体が軽いのも月曜日だけで、週の真ん中、水曜日なんてなると朝起きると「あれ、あれれ」なんて関節がスムーズに動かなかったり、動かすたびに痛みがあったり。それでも気分は疲労ハイみたいなもんで、身体とは逆に徐々に軽くなるような感じ。それに疲労が体温を少しだけ上昇させているようで、熱くなったからだが感覚を少しだけ鋭くさせているような。
昨日は暑かったですね。そして湿度も高くて、汗がたっぷりと流れました。「熱中症に注意して、水分を取りましょう」なんて朝礼の時に言っているのですが、ほっとタイム時だけの水分補給だけではどうも間に合わない感じで、流れる汗が「がんばるぞ」という緊張の糸までふやけさせて、もうキレそうな…そんな感じの１日でした。
ラインではどこからか「ファイト一発」とか「バッチ来い」なんて叫んでいる声が騒音に紛れて届く、定時のチャイムが聞えた残業時間。みんなギリギリのところで働いている、てか、立っていて、そして身体が自動的に動いているのでしょうね。半ロボット状態。
頭の中で「あと何台」とカウントダウンが始まる頃、…ガリガリ……「あ、かじったちゃったよ」。ボルトを逆転させて、抜いて、タップ掛、そして再度ボルトをインパクトレンチにセットして…。一工程が終わった頃には、次の工程の人が待っていて……。「あ、ごめん、ごめん」なんてことに。急いで戻って……。少し深呼吸。そして「落ち着け落ち着け」。
届くのはそんな声や音だけではなくて、汗と油の臭いが充満している工場には不釣合いの香水の匂い。たまにガムの甘い香。ふと、「ああ、オレ生きてるんだ」と我に帰る瞬間。
香水はつけていますか？
ボクはつけないのですが、けっこうつけている人いますよね。中にはファブリーズとかをロッカーで吹き付けている人もいますよね。香水ではなくて制汗剤という人や、洗濯時に使う柔軟剤（ソフランとかハミングとかフレアとか）の香りの人もいるのでしょうね。
あのなんとも言えない工場の臭い、そしてほとんど野郎ばかりの職場で「香水なんて」と思っているひともいるのでしょうが、妙な人間臭さを発散させるよりも、少しだけ人間らしさを取り戻させる香を身にまとうというのは、そんなに悪くないと思うのですよ。
悪くないのですが、つけ過ぎの人がいて「どこからか漂う」というのではなくて、「あいつ臭えんだよ」なんて思われている人もいるようで…。それに安物のトイレの芳香剤みたいな臭いだったりして…。
疲れ果てている頃に、いつも漂ってくる香に欲情する人もいたりして…新たな恋のはじまりの予感なんてことにならないとも…ないか？
なんて、香水なのですが、においに敏感な人や、ま、そうでない人にとっても、あまり強烈な匂いってのは、臭害になってしまいますので、つけ過ぎに注意したほうが…。
って、お前のバンテリン臭の方が臭いんだよ、って、う～ん、そうだなあ、確かに汗と混ざるとなんていうかちょっとアルカリ臭って感じの臭いになるもんねえ…。
いや違うんだ。バンテリンの匂いこそが、ボクたち期間従業員の香水なんだ……。
なのか？