一週間が終わる、待ち遠しい週末だったのだけれど、やっぱりなぜだか寂しくなったりする金曜日の夜とか土曜日の朝とか。給料後の週末だから、きっとみんなはどこかに出かけたり、例えば名古屋に行って買物とか、昨夜寮の食堂が静かだったのは、もうすでに仕事が終わってから出かけているのかもしれないし。
牛丼のおじさんと浴場で会ったのだけれど昨夜はパチンコ、今日は「かわいい子がいるよ～」という『ベルバラ』（フィリピン人とかのパブ）に行くという。「田原さんも行く？」なんて聞かれて「あ、明日はちょっと用があるので」なんて嘘言ってしまう。用なんかないのだけれど、そんなフィリピンとかチャイナとかのアジアンかわいい子パブはどうも苦手…。タガログもできないし…。
お金も使えないでいる。ようするに失業するという恐怖みたいなものがあるのだろうね。失業ブルー、アンエンプロイメント・ブルーと言ったほうがカッコイイ？
30万円が大金に思えた頃もあった。その30万円で夢も買えた頃もあった。例えばそれだけのお金でインド・カトマンドゥ-日本往復1年間オープンチケットを買って、残ったお金を旅費にして旅にも出れたし、結局その旅を起点にアフリカにも住むことができたしね。
ひと月の給料プラス特別手当10万円が付いたら手取り30万円にはなるのだけれど、それを持ってどこかへ行こうとか、「ここにいてはダメだ」なんてことを考えるとか、そういう旅立ちの発想が湧き起らないでいる。つきまとうのは失くすことの不安というか、０になることの恐怖とかいったもので、気持ちが引篭もりになっているし臆病になっているのだろうね。
使えない恐怖というか、失くすことの恐怖が芽生えると、だいたい人ってのは危険を冒さないようになる。そうなると、やはりどこかで妥協し始めるし、安直なバランスゲームしか出来なくなるのだろう。例えば期間従業員としてトヨタで働くこととか…。
そうしてスパイラルになっていくのだろうね。
20代で「安定」を希求してトヨタ社員になろうとする若者たちをどうも好きになれなかったのだけれど、結局はボクもその人たちと同じような精神構造をしていて、その安直なバランスゲームをすることがクリエイティブなことだと思っている、そんな想像力のない頭になってしまっているのだろうね。
超閉鎖社会なのだよ。ライン作業なんてのはね。
きっと自分の部屋でテレビゲームをしている感覚に近いのだろうね。限られた視界の中で、限られた思考をする、それを繰り返す。たぶん定年まで同じようなことの繰り返しで、作業内容だけではなくて、そこに住む「家族」もほぼ同じなのだから。そして入社要因になった「安定」した「家庭」のある「家」も、ほとんどそれと同じレベルの空間でしかなくて、移動手段も企業名の入った制服、もといクルマを使うなんてとで、超閉鎖社会というか超閉鎖空間の中で生きるというのは、身動きの出来ない安定なのだと思っているのだけれど。
それでもそれは自分の部屋でテレビゲームをしている感覚なのだから、みんなの好きなことなのだろうし、例えば期間従業員としてトヨタに来る半年なり1年なり、あるいはもっと長い期間、その空間に慣れ親しんでいたことなのだから、とても居心地の良い空間であるのだろうと思っている。
ゲームみたいなもんでしょ？
そんで創意工夫なんて「裏技」みたいなもんだし、結局は良いスコアを出すための、クリアする時間を短くするための努力なんだから、もう彼らの思考方法は間違いなくTPS用に作られているのだから…。
そんな毎日、毎週、毎月、毎年を送っていると、もう脱け出せなくなるのじゃないかと思っているんだ。ゲームの世界からね。よく言われるのだけれど、そういう「バーチャルの世界で生きている人たち」とか「ネット世代」なんてことは、ライン作業みたいなもんが人の仕事として行なわれるようになったときから、すでに始まっていて、なにもインベーダーゲームがその始まりという訳でもなくて、伏線だったとしたら…。
椿も梅もマンサクも片栗も、そんで福寿草もセツブンソウも菜の花も、そしても少ししたらサクラも咲くのだけれど、そんなことは、たぶん、安定した人生には何の関係もないのだろうと思うと、も少しボクもテレビゲームをやっとけば良かったかなあ、と少しだけ思ったりしているのだけれど…。
そんなことにはお金を使わずに、いつも旅みたいな人生にいったい何の意味があったのかと、少し思っていたりするのだけれど、それはそれで、きっと貴重な無駄な時間だったのだろうと、無駄な貴重な時間を送れなかったことを思っている朝なのだけれどね…。
まだまだ満了ではないのですよ。国士13メンチャン待ちと言った感じなのですが、実は天和で上がっていたのを知らずにやってたら国士になったよ～、って感じなんですが…。分かる？
さてと…。