身だしなみ

トヨタは服装や髪の色、ピアスや言葉使いなんていうのが、けっこう自由だと何度か書いてきましたが、各工場での年頭のあいさつに「身だしなみ」というキーワードを入れた部長さんもおられたようで、今年は昨年来から世間で言われている「品格」ということを含めて、少しだけその自由さを規制する試みが始まるのかもしれないですね。
作業帽もデザインが変わって(このことは明日にでも書きますが)、やはりトヨタマンたる者、いくら「人は見かけによらぬもの」と言っても、人は見かけで判断する場合が多いのも確かですから、奇抜さや斬新さを求めるファッションも良いのですが、やはり通勤時にはそれらしい格好をするほうが良いと思っています。
それはきっと職場で4Sをする理由と同じでしょうし、自己を客観視するということはとても大切なことで、そして俯瞰するという態度は巨大な企業やライン作業という距離作業には必要なことだと思います。
そして何よりも、トヨタマンとしての自覚を毎日感じる機会でもあるのだろうし。もう町工場の社員じゃなくて、世界のトヨタの社員なんだしね。今まで問題視されなかったのが不思議でなりませんでしたが、年頭のあいさつに「身だしなみ」ということをおっしゃられて部長さんがいるということで、ま、ボクも、ま、「あのリゾートファッションはどうよ」なんて感じていたので…。

トヨタってけっこう自由なんだよね(2)
昨日は現場ではとてもカラフルな自由な服装で作業をしていることを書いたのだけれど、そういえばヘアスタイルとかその色とか、ピアスとかっての自由で、茶髪にちょっと長めのピアスをしている社員の方を見ると、期間従業員のほうがキチンとしてるなあ、とか、きっと刺青している社員もいるだろうなあ、なんて思うと、面接の時の裸踊りはなんなんだよ~、なんて思ったり。

「衣食足りて礼節を知る」なんて言葉もあって、衣食足り過ぎるほどの給料もらっているんだから、衣はきちんとして、そして言葉使いとか品格とかを考えなけらばならない時期なのだろうと思っています。
品格。期間従業員に対しての傲慢な態度を取るような品のない社員は、もうそろそろ退場してもらう時期かもしれませんね、ね、部長。感謝なくして成功なしだろうし、国内販売が低迷しているのだから、まずはひとりひとりがトヨタのセールスマンという気持ちじゃないとねえ。
工場から「挨拶しましょう」なんてポスターが無くなる日が来ないことには、「安心して働ける」なんて募集のキャッチコピーってのも「ちょっと違うんじゃあないの」なんて言われ続けるだろうしね。そんな普通のことが出来ない職場ってのも、ボクには始めての体験で、ギザカルチャーショックだったんだけれど…。
期間従業員はどんな格好でも良いんだよ。衣食足りてないんだからね。それに寮から工場へへはバスで、コンビニにさえ寄り道できなんだからさあ。ま、んでも、みんな綺麗な格好してるよ。短パン、ビーサンなんてのもいないしね。
「え、あんな格好で会社にいけるトヨタって、ちょっとちょっと、ねえ奥さん」
なんて声も聞えそうで…。
ま、それはそれで、ステキなことなんだけれどさ。
さてと。

粉雪 ねえ 心まで白く染められたなら
二人の 孤独を分け合うことが 出来たのかい
「粉雪」藤巻 亮太 作詞

7件のコメント

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    >もっさんさんへ
    そうですね、物を造るってことの本質みたいなものを忘れて、いかに効率よく大量に生産できるか、というのが正しいものづくりになっているようですね。
    もう立ち止まれない状態にあって、人が車を造っているのではなくて、トヨタ生産システムという、なんだか分からないのもが造っている、と、みんなが、その怪物を恐れているのかもしれないと思っています。
    >歩さんへ
    製品という結果が全て、ということから、どれだけ社会的貢献をしているか、というのが購入動機になる時代、というのも現在だと思います。
    少し前にそのことは書いたのですが、SRI(Social Responsibility Investment)「社会的責任投資」のように、社会的責任購買も行なわれる時期なのかもと思っています。
    ま、それも、余裕がないと出来ないのでしょうが。二極化している現在では、高いか安いか、というのが購入動機だろうとも思いますし、その安価さを求めることが逆に雇用面にも反映される、という現実もありますし。
    ニーズの多様化しているのですが、選択できない層も多くなっているしで、エコが良いのは分かっているけれど、買えないという人も多いのでしょうしね。
    ま、フェラリーの従業員はそうでしょうが、だからトヨタも、って話じゃ何の進展もないだろうし、企業全体の風土みたいなものを変えようとする、トヨタの過渡期なのかもしれないと思っています。そうなると、いろいろな試みが今後行なわれるのだろうと、なんて考えています。
    >さといもさんへ
    ボクも、着るものについては、特に社員の、そう思います。
    駐車場からロッカーまでは距離もあって、危険な場所もあったりしますから、やはりサンダルはいかがなものか、なんて考えています。
    買えないわけじゃないですからね。
    ま、今回の「身だしなみ」ってのは、そんな外見よりも、心の身だしなみ、個人の5S、といった意味でしょうし、それはとても大切なことだと思います。
    トヨタだからこそ、ってこともありますしね。
    >正男さんへ
    ええ、ま、いますよね。奇声を発する人とか…。
    社員だろうが期間従業員だろうが、やはり身だしなみってのは、普通は必要なものなんですよね。
    常識、と言い替えても良いですけれど…。ない人もいるってことなんだろうと、思います。
    >北斗星さんへ
    ええ、ま、その形からなんでしょうね。
    制服とか帽子とか、きっと揃えたいのだろうと思ったりしています。
    次の記事で同じようなことを書いたのですが、やはり均質性とか等質性というのが最高品質のものづくりにおいては、日本人には向いていたのでしょうね。
    接客業では、やはり対面してそこから商品を作っていくという応用性を求められますもんね。
    これからは、やはり企業が何をしているか、なんてことも求められる時代なのだろうと思います。商品の品質以上に。
    今のところは環境ということぐらいしかありませんが。
    なるほど、そっちに行ったのですね。ボクはあと1回分。駒ヶ根…遠いよなあ…。ソースカツ丼…。

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    会社そのものが品格のない会社ですからね(笑)
    まずは形から…ということでしょうけど、挨拶もまともにできない社員や職制が多数存在するのでは、形以前の問題じゃないですか?
    トヨタ生産方式にしても、几帳面で従順な日本人だからできただけで、海外では受け入れられないだろうし、自分のような飲食経験者から見ると、古くさくて融通のきかないやり方にしか思えず…。
    大量消費の時代には通用しても、これからはあんなやり方は時代遅れだと思いますがね。
    さて、紀州征伐完了。見事青春18きっぷを5日分使いきりました。

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    茶髪ピアスだけならいいですよ。ただ社会人なんだからバス停や寮など人が集まる場所で大声で話したり睨んで威嚇したりする人がいるのがね~・・。まあこれは期間従業員の人たちなんだけど・・。

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    自家用車および自転車、徒歩で通勤してる人の服装を見ると
    一般的なカジュアルが多数だけど一部には
    汚いTシャツに短パン
    スーツ
    作業服
    な方がいますね。
    工場勤務である以上必要以上にかしこまった服装をする必要はないですけど
    特に夏季はそれはちょっと?という方が少なからずいるのは残念な事です。
    トヨタ生産方式を否定することは社内ではタブーにされているようですけど
    どの方式が一番最適かは商品にもよるのではないでしょうか。

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    堤の期間の格好はまさに自由ですよ。短パンビーサンなんて普通、てか、ビーサンはともかく、短パンはいいと思うんだけど・・・俺個人は、あのクソ暑い夏に短パンじゃない方がおかしいだろ、って感覚ですけどね
    俺的には、便所スリッパ君や丈の短いジーンズ君、異臭を放つ洋服君を先に何とかしてもらいたいです。車内を自室のように思う日本人なら、間違いなくこんな奴らが作ってる車は嫌がられると思うんですけど・・・でもこれは茶葉ピアス以前の話ですかね
    あ、俺が思うに社員の茶髪ピアスはシャレてるし小綺麗ですよ。が、期間工はもう・・・
    ただ伸ばしっぱなしのロン毛とか、染める金がないのか面倒くさいのか、プリンもいいとこの金髪とか、見苦しいのが居すぎてイヤになって来ますわ(笑)
    まぁ、感覚なんて人それぞれだし、ブルーカラーにそんなに目くじら立てる必要はないんじゃないかなと思うんですけどね
    欧州でレクサスが売れないのは品格のせいじゃないよ、トヨタさん。フェラーリの従業員は小汚い格好で仕事してますよ、渡辺さん(笑)

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    長文で失礼します
    もっさんのコメントを興味深く読まさせてもらいました
    自分はトヨタ式生産方式の否定論者です。勿論、この生産方式によって莫大なる純益や販売台数を売り上げてるわけで、売り上げという結果として、自説が間違ってるのは見事に証明されてしまってはいるんですが、それでも自説を曲げるつもりはありません
    結局のところ、なぜこれだけトヨタ車が売れてるのかと言うと、そこそこな価格にそこそこな品質、そして販社の販売力にあると俺は思っています
    販売力の部分は置いておきますが、客はそこそこな価格でそこそこな品質の両立を望んでるんでしょうね
    俺は、あまりに安いのも、高くなって品質が上がるのも・・・てな感じなんではないのかなぁと思ってるんですが
    俺はボルボや松下のやり方に大賛成ですが、結局、客がそれを望んでない以上、無駄に終わってしまわないかと危惧してしまうんですよ
    今の時代の消費者は、多嗜好に伴う大量消費、そしてスピードを求めてます。自動車生産だけに限った話じゃありませんが、もう消費者がこんな余裕の無い状況ですから、生産側に余裕なんてあるわけないですよね
    まぁ、消費者が・・・とは言っても、それを主導したのは各メーカーや商社であるわけで、それらの会社が一致して事を起こせばまた状況は変わるんでしょうけどね
    スピードを重視するが為に大量に廃棄される食品、消費される燃料、排出される二酸化炭素、削られる運送ドライバーの睡眠時間と賃金。なんか間違ってますよね
    人間、どうせ死ぬんだから人生の中身は濃い方がいい。だから多嗜好、スピード・・・てのが人間らしいっちゃぁ人間らしいような気もしますが、それって現在の人間は良くても未来の人間が・・・てな話になるんですよね
    ま、どんなに環境悪化を引き伸ばしたところで、何十億年後には確実に地球は無くなるし、それを何百年か何千年か早めたところで・・・って感覚もわからないでもないですけどね
    なんにしろ、今の日本で余裕のある奴なんて、生産側にも消費者側にも極々僅かしかいませんよ。何か悪いことでもやって生きた方が得なような気すらしますね

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    衣食足りて礼節を知る
    これって良く、金銭面や待遇の事ばかり強調されがちですけど、案外見落とされがちなのが『心の余裕』なんじゃないかなと思うんです。
    労働の対価として衣食の保障の元となる給与や
    福利厚生が与えらる。
    でもその労働が効率や能率を追求するあまりに
    無駄や余分な物と数字でみなされた作業の『余裕』ある
    時間や工程はバッサリと切り捨てられる
    でもその切り捨てた余裕の部分に何か大事なものが
    あったんじゃないかと、工場労働経験者としては思うんです。
    無論、営利企業ですから無駄を無くし効率を突き詰めるのが製造コストを下げていく一番シンプルな方法ではあります。
    でもそれはあくまで『引き算』にしかならない。
    無駄という名の余裕を究極まで突き詰めたトヨタの看板方式にあっては、心にも余裕が生まれないのでは?と感じてしまいます。
    同じ自動車会社でもスウェーデンのボルボはライン生産方式を止めて、細かく再分化されていた各製造セクションを1つのチームとして(組み立てなら細かく細分化せずにチームがラジエータからシートからすべてを責任をもって組み立てる)製造にあたった結果
    製造での不具合が減り、長期的には能率があがり、なによりリコールの件数が大幅に減ったそうです。
    松下でもどこの製造部門かは知りませんが、ライン作業を止めて、個人がある程度商品の形になるまで責任をもって製造する形を導入したら、逆に生産台数が増えて不具合商品が減ったそうです。
    一概には論ぜられませんが(松下も派遣にはえげつない事をしていますしね)トヨタの人間の無駄を究極まで省くやり方はもう限界ではないかと・・・・
    そんなやり方で品格を求められてもね
    心の余裕を搾り取っておいて品格ですか・・・・
    さすがは世界のトヨタ(苦笑)

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