旅に出て、そして得られるものなんてのは、想い出ぐらいなものかなあ･･･。もうあの頃写した写真も色褪せてしまって、ネガもどこにいったのか分からなかったりして、想い出の断片が、夜の隙間から顔を出したとしても、ボクはそれがどこなのかも分からないでいる。
出産というのは、長い旅ではないのかと考えている。
十月十日、おおよそ310日間、母親は旅をする。しかし、それは旅とは言っても、例えば厳冬期の雪深い山々を縦走するような厳しいもの、のように思っている。死はいつも隣り合わせにある。母親の旅は、ボクたちがどんな旅をしたところで、どんな冒険をしたところで、得られない、なにかを獲得するのだろうと思っている。そして人類の半分にしかその旅はすることが出来ないとすると、なんと貴重なものなのだろうと、思っている。
少し前に書いた記事を改めて書いてみようと思う。
「ぶぅぶパーク」「ぶぅぶランド」「ぶぅぶタウン」のこと。

彼岸にて
非正規を作っておきながら、一方では、さらに格差を拡大する。
現場の母たちは、ほとんど非正規雇用にされてしまうのだろうか…。子供がいるために、なにかを捨てなければならないのだろうか…。あるいは、正規雇用者と同じ権利を与えてもらえないのだろうか…。
例えばトヨタ自動車「ぶぅぶパーク」という託児所がある。確かに「計140人の定員規模となっており、事業所内託児施設としては、国内最大規模」というのは仕事と育児の両立を支援する、子供の将来のためにも大変素晴らしいことだと思う。
そしてトヨタ自動車グループ５社も託児所を開設した、これは「たっちっちはうす」。そのことは評価をしていいと思う。現場にも女性が増えて、そしてトヨタカレンダーでの勤務では、休日早朝深夜安心して預けれれる施設は必要だろうから。トヨタカレンダー自体が普通ではないのだから、それは企業の責任でもあると思う。

そういった施設を企業が作ることは、母親を雇用するという時点で責任でもあると思う。ただ、そういった支援など（子育て助成金や奨励金などを支給しているかもしれないので）が正社員のみの特権で、同じ組合員であっても非正規雇用のパート社員や期間従業員は利用できないということ、それは企業の姿勢としてはいかがなものかと、ボクは思うのだ。
そしてその「ぶぅぶパーク」「ぶぅぶランド」「ぶぅぶタウン」という施設は、トヨタが場所を提供しているだけで、そこでピジョンハーツが営業しているという、まるで工場の食堂のようなものなのだ。
win-winという関係。企業と企業の利益は確かに協力体制の中で獲得されるのだろう。そしてやっぱりそういう事業所内施設では、非正規雇用というのは常に差別される。食堂のウェルチョイスでの「割引き飯」のように。同じ場所にいて、同じことをして、そして同じ組合員でありながらも、同じではない待遇が目の前で行われる。
そこが欺瞞だと言うのだよ。
正社員の母親たちの反対があるのかもしれないね。人気の施設で入所待ちということなのだか。「正社員の子が先よ」とかね。父親もね「正社員のオレの子が入所待ちなのに」とか･･･。
だから組合も黙っているのだろうね。同じ組合員なのにね。
ま、ディズニーランドの割引券や、ラグーナ蒲郡の割引券もらえるから、ありがたいか。パートさんはボーナスもあるから、さらにありがたいかもね。神様、仏様、トヨタ様、ってなものかもしれないね。