四国八十八か所第十番札所切幡寺から十一番藤井寺へのへんろ道は途中に吉野川を渡る。市場町から市場橋を渡り吉野川市川島町に入るルートが一般的だと聞いたことがあり、ボクもそのルートを歩いた。そして川島橋近くの遍路小屋に泊まった。
宗教法人幸福の科学総裁および幸福の科学グループ創始者兼総裁である大川隆法さんはその川島町で生まれたそうだ。“遍路転がし”で有名な焼山寺への入り口でもあるので、ほとんどの遍路は吉野川市に泊まるのだろうし、野宿で歩いている遍路の人たちにとっては川島遍路小屋や江川湧水源の無料仮眠施設、有名な鴨の湯の遍路無料宿（風呂も無料）という優しい街として思い出の中にあるのだろうと思う。
そういうことから幸福の科学に入信する人もいるのだろうし、大川隆法さんの書籍を読むきっかけなる人もいるのだろうと思う。実はボクもそれまではほとんど興味がなかったのだけれど、「川島かあ」なんてことで「世話になったよなあ」と思い出とともに気になったりした。こんな状況なので、もしかしたら宗教が救ってくれるかもしれないという期待感もあるのも確かだ。
人は救ってはくれない。自分のことで忙しいからね。近寄ってきたとしても、驚くほどの理由で遠ざかってゆく。自分が悩んでいたり苦しんでいる時は近づいて来て、幸福になると疫病神は遠ざける。感染したくない、と言わんばかりの薄情さで、遠ざかってゆく。いや、それはボクの責任なんだろうけれど。
宗教も救ってはくれないかもしれない。人と同じように裏切られる場合もあるだろうと思う。それでも、近寄りやすい。貧困や格差という責苦から救い出してくれるのは宗教かもしれない。これまでもそうだった。どれほど迫害されようと信仰を捨てなかったキリシタンのように、奈落の底から引っ張りあげてくれるのは宗教なのかもしれない。
幸福は労働組合でも政治でもないということをボクたちは思い知らされた。そうでしょ？派遣切り、雇い止めで、多くの非正規労働者が使い捨てられて、そうしていまだに大量の失業者がハローワークに溢れているのだから。政治や経済による弱者虐待は続く。国家的DVなのだ。そして人としての枠組みからも放り出そうとしている。結婚して子供を作るということも出来ないように「されて」いるのだから。
ボクは無党派なのだ。自民も民主もどちらになろうと同じように思う。同じ穴の狢だからね。どっちかというと自民のほうが安心だとも思う。ガタガタ騒いでいたとしても、隣人ひとり、駅のホームで死体のように転がっているホームレスも救えないのだから、どうしようもない。街宣車の横で空き缶を拾うホームレスのおばちゃんを見ないようにしている政治家。
もう宗教しかないかもしれない。嘘でもなんでも良い池田さんや大川さんが「頑張るんですよ」と言ってくれたら頑張れるかもしれない。国家という体制がないのだから。国家から見殺しにされているのだから、すがり頼るところを新しく探さなければならない。
幸福実現党が結党された。その大川隆法さんの奥さん大川きょう子さんが党首だ。
立党演説を聴いた。そのバックグランドがどうであれ、なにかを感じさせる演説だった。演説慣れしたら、とても良い弁士になるだろうと思った。
YouTube – 5.27「幸福実現党」立党大会③　大川きょう子党首代行挨拶
たぶん、食えなくなって自民党支部に行っても何もくれないかもしれないけれど、幸福実現党に行くと「どうぞおあがり下さい」とその日の糧と大川さんの書籍をくれるのではないかと思う。そのほうがうれしいし。そしてボクたちの味方は自民や民主や共産なんかよりも、こっちのように思う。
そんな気がするのだけれど。
そしてそう思っている人が多いと思う。
きっと。

コミックナタリー – 「金田一少年」のさとうふみや、幸福実現党から衆院選出馬