タクシー臭い、タクシーはなぜくさいのか
タクシー臭、車の臭いですか？乗務員のにおいですか？どんなにおいですか？確かに、記憶の中にあるタクシーは、なんとも言えないニオイがしていました。あれはLPG？タバコ？子どもの頃の思い出…。
さて、森羅万象、全ての物にはにおいがある。なさそうな物まであったりする。
例えば「事件のにおい」だとか「貧乏臭い」だとか…。
花には花のにおいがあり、動物には動物のにおいがある。その特有のにおいで仲間を識別したり個体を特定したりする。そして異性を誘きよせるために匂いを出したり、香水なんてのを身に纏う。「あまり言葉」に騙されたりするように、人は匂いに弱い。
タクシーの臭い
タクシーにもタクシー臭がある。無臭というタクシーは、ない、と思う。たぶん。
そのにおいのほとんどは、自動車のにおいというよりも、それに乗っている運転手のにおいの場合がほとんどで、それを誤魔化すための自動車用芳香剤、消臭剤の入り交ざったにおい、そんな複雑なものなのだ…。
子供の頃、タクシーに乗ると車酔いしていた。その原因は独特な臭いだった。いや、車酔いするということに臭いが関連付けられたのかもしれないけれど、あの頃利用していたタクシー（正確にはいつも来ていたタクシー会社の運転手のタクシーなんだけれど）の臭いは、今でも記憶のどこかに残っていて鼻腔に蘇るほど、嫌なものだった。
その頃はその臭いがタクシーというものの臭いだと思っていた。例えば林檎のにおいが林檎のにおいのように…。
しばらくしてそれはLPGという特殊な燃料の臭いだと考えるようになった。両親にそう聞かされたことがあったからだ。あるいは冷房臭、エアコンガスの臭いとかだろうと考えるようになった。
脱臭技術？
大人になり自分が車を運転するようになると、タクシーを利用する機会も減って、ごくたまに乗ったとしてもそういった臭いを感じなくなっていた。それは多分、技術的進歩によってタクシー臭がしないようになったのだ、そう思っていた。
臭いのしないLPGとか自動車メーカーの脱臭素材とかの技術開発の賜物なのだろうとも思っていた。そんなことぐらい簡単にやってしまうほど、日本の自動車メーカーの技術開発は急進的だったし、高度経済発展というのは技術の開発や改革によって行われてきなのだし…。
しかし、タクシーに運転手として毎日乗るようになって、やっぱりタクシーには「においがある」と思うようになった。大人になって「ごくたまに」乗ったタクシーはあまりにおいのしないタクシーだっただけだったのだ。またあの頃の記憶が蘇ってきた。そして日本の自動車メーカーの限界を知った。いや、そんなものよりも、人はやっぱり動物で、個々特有の臭いを発しているのだ、と、至極当たり前のことを再確認することになった。
香害？
臭いの少ない車もある。良い香りの車もある。
という全ての感覚はボクの好みに拠るのだろうけれど、臭いの気になる車もある。ようするにタクシー1台1台、固有の臭いがあるということだ。それは多分、乗っている人の臭いなのだろう。家にも家の臭いがあるように。（だからあれほど消臭剤や芳香剤が売れるのだろうし。ファブリーズのような）
その芳香剤や消臭剤の臭いも気になる人も多いのだろうけれど、お客さんの多くはドアが明けられた瞬間に漂うタクシー臭に時として息を殺したりするのかもしれない。そして不機嫌になったりするのかもしれない。逆に心地よくなったりするのかもしれないけれど…。
でも、運転手がタクシーの中で1日の半分以上を過ごすのだから、そして食事も車内でとったりするのだから、いろいろなにおいが着くのもしかたないと思ったりする。というか臭いがしないほうがおかしいのかもしれない。
臭いOK
それは喫茶店に入ったらコーヒーのにおいがするのと同じようなもので、タクシーに乗ったらタクシーのにおいがして当たり前なのだろうと…。コーヒーのにおいだけではなくて、トーストやカレーのにおいもするのが喫茶店なのだから、タクシーもいろいろなにおいがしても、それは普通のことなのだろうと思う。
「加齢臭がするよ～」なんてのも、それはしかたないのだ。あるいは「焼肉弁当のにおいがするよ～」なんてのも許してもらいたい。それでも「オナラの臭いがするよ」なんてのはNGだろうけれど…。
冬場は良いけれど、夏になると汗の臭いとかも加わって、それにエアコンの換気を車内循環にしていると臭いも循環されるので…、ちょっと嫌な臭いのタクシーが増えるかもしれないと思ったりしているのだけれど…。その時は窓を全開にして……。それでもダメならマスクをして……。それでも嫌なら乗る前に臭いチェックをして……。
「カードOK」なんて表示のほうかに「臭いOK」というステッカーもバンパーあたりに貼ってもらうほうが良いかもしれないね。たぶん。
タクシー車内は禁煙なのでタバコ臭はないはずです。
kixxto.com
