田原工場第一製造部夜間操業再開

やっと再開されましたね。7ヶ月ぶりの2直体制に戻ったようです。
ハローワーク豊橋にもそれに伴うメーカーの求人も増えたとのことです。増えたといっても派遣や期間工での求人のようですけれど、最近の厳しい雇用情勢下、その求人にも応募が殺到しているようです。
民主党政権になって、マニフェストにある「原則として製造現場への派遣を禁止する」や「雇用契約期間が2カ月以下の場合は派遣を禁止」が制度化されたとしても、期間工という直接雇用での有期労働契約にして雇用すれば良いだけの話のように思います。国民という労働者に対して企業はそれぐらいの責任を持つべきだと思います。
市場原理、利益優先主義なんてことから労働が商品化され、ダンピング、搾取、使い捨てなんて人ではなくて物扱いされていたこれまでが問題ありだったのです。せめて企業は自社の敷地内で働く人間の責任は自らが負うべきだと思います。それだけの話なのですが、労働を商品化してピンハネした利益で人材派遣会社が儲かるような複雑な仕組みにしたことが間違いだったのです。そういうシステムこそが「経済だ」と騙る人がいたということです。
経済にも血が流れていて、人の温もりがあったはずですけれど、ただ単に数式だけにしてしまったのがあの規制緩和、郵政民営化でした。そりゃ労働力も物として扱えば売った買ったの話になりますから。
この派遣法というのは農業とも密接に関係していて「期間工の死」以来地方農家の出稼ぎもなくなってしまって、いよいよ農家として食べてゆくことが困難になったということもあります。失業保険の受給資格が6ヶ月だったら、冬の間の出稼ぎとして半年働いて半年農業をするということも出来たはずです。トヨタの期間従業員の契約期間が4ヶ月~6ヶ月と選択できたのは、農家の出稼ぎ労働者のためだったのではないかと思います。
メーカーもその時期が繁忙期ということもあって、お互いの利益が一致していたわけです。毎年秋になると出稼ぎのお父さんたちが東京や愛知、大阪にやってきていたはずです。ところが、そういう人たちも雇用保険失業給付の「循環的受給者」なんて悪者にして、それをさせない法律に2007年10月に変えました。そこからこの国の労働問題がかなりおかしくなりました。国は自らが行ったムダ使いのツケを労働者に支払わせたのです。
自ら労働してそしてその収入で農業を維持しようとしていた人たちの自活の道を閉ざしたのも規制緩和内閣だったのです。誰が得したのか。企業よりも国だったはずです。「わたしの仕事館」なんて箱物を作ったツケを「循環的受給者」として断罪した出稼ぎ労働者に支払わせたのです。
「今年も来たね」とか「またお世話になります」なんて挨拶が10月の製造工場では交わされていたのです。それは人と人の関係でした。雇用とは人と物とが契約を結ぶことではありません。人と人が「よろしくお願いします」と挨拶することが雇用契約というものです。そして短期雇用や出稼ぎ労働というのは「また」という言葉が付いていたのです。
経済や政策というものは、何も農水省や厚労省といった単独で行うものではありません。農政と雇用問題がダイナミックに撹拌されるととが政策だと思います。官僚主義ということの弊害もそこにあるのでしょう。上述したように農家と雇用保険法が密接に関係しているように。農家の人たちはどうにかして自活しようとしていたはずです。貧しいながらも出稼ぎをしていたはずです。製造業と農水産業というのは隣に存在していたはずなのです。
期間工、有期雇用という雇用形態が今のように悪ではなくて、ゆったりとした社会システムの中では必要な存在としてあったはずです。今でも必要としている人もいるはずです。農家のセーフティネットだったのです。いろいろな側面があるはずなのですが、いつのまにか1面しか見ることができなくなったように思います。非正規雇用という1面だけで。
トヨタ自動車田原工場の夜勤再開は6月ごろには決定していたのですが、政権交代選挙の結果が出た日と重なったことに何か運命のようなものを感じました。この国の製造業、Made in Japan を支えてきたのは、一体誰だったのでしょうか。当たり前のようですが、日本人ひとりひとりだったはずです。青森の中村さんでした。宮城の鈴木さんもいました。九州の田中さんもいて、沖縄の比嘉さんもいたはずです。
そんな簡単なことをどうして忘れてしまったのだろうかと思いました。そういった関係があったはずです。そしてそれが雇用というものだったと思います。

産業/トヨタ田原工場、31日から夜勤復活 – FujiSankei Business i./Bloomberg GLOBAL FINANCE
トヨタ自動車が今月31日から田原工場(愛知県田原市)の生産ラインの一部で、約7カ月ぶりに勤務態勢を昼夜2交代にし、夜勤を復活させることが7日、分かった。中近東を中心に「ランドクルーザー」などの大型車の受注が急増していることに対応する。

時事ドットコム:トヨタ、9月に2工場で休日稼働
トヨタ自動車は25日、ハイブリッド車「プリウス」などを生産する堤工場(愛知県豊田市)と田原工場(同県田原市)で9月に休日稼働日を設ける方針を明らかにした。

雇用契約期間と業種

13件のコメント

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    トヨタ自動車は今回のリコールに対して謝罪しなさい!ジャストインタイムが引き起こした重大事件だからな!

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    トヨタ自動車は今回のリコールに対して謝罪しなさい!ジャストインタイムが引き起こした重大事件だからな!

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    1JZGTEよ永遠にさん、こんばんは。
    今日正式なアナウンスがありましたね。
    電話ですか。オレオレ詐欺みたいなものが出てくるかも。「トヨタですけれど、期間従業員として採用が決定しました。今回からは保証金10万円をお送りしてもらってます。昨年のトヨタショックの件がありましたので、寮や保証人さんの問題で……」なんて……。
    逆に高岡は1つ潰すのですよね?
    全体としては、まだ余剰人員があるとしても、最前線の組立工がいないってことなのかもしれませんね。
    応募したのですか?

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    こんばんは。
    今晩、実家から「トヨタから電話かかって来たよ」との連絡がありました。
    葉書ではなく電話での招集って・・・
    田原のみならず、各工場のようですね。
    新型プラドは国内向けは日野羽村で、輸出仕様は田原での生産です。新型発表まであと1週間ですね。
    田原の次に減産ダメージを被った元町はLF-Aの立ち上げのみならず、10月19日に登場する新型マークXの立ち上げで忙しくなるのではないのかと。
    マークXもエコカー減税対象グレード有りです。

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    田原服役囚さん、こんにちは。
    赤紙の件は何件か情報が入っています。先週送ったようですね。田原限定なのかなあ?それとも全社的なのかなあ?
    10月から3月にかけて繁忙期ですもんね。それにあわせての人員確保?切りまくって、気が付けば誰もいなくなっていた、なんてことかも?
    景気はどうなんだろう、少しずつ回復すればいいですけれどね。
    ほんとどうなるんだろう?

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    こんばんは。
    5月で期間満了した友達のとこにトヨタから召集令状が来たそうです。
    10月の15日くらいまでに期間で入社できる人はもれなく面接免除みたいです。
    あとちょっと前の豊田合成の入社試験ですけど150人くらい受けて25人受かったそうです。
    なんか地元じゃあない人もいるみたいで・・・
    ほとんどがトヨタの期間経験者らしいですよ。
    でもこの先どうなるんですかねぇ。

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    政権交代選挙

    衆議院解散総選挙で、政権交代は有り得る? 場合、政権交代は有り得るでしょうか?…

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    元町さん、こんばんは。
    えっと、その車のことを知らなくて。ありがとうございます。エントリーとして書いてみました。
    田原じゃないのか、ということですけれど、エントリーにも書きましたが、きっと本社の近くでということなのでしょうね。
    利益というよりも、やはりトヨタの技術力、それに新社長のものつくり、車つくりへの意思表明だと思うのですけれど。
    ありがとうございました。

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    元町工場でLF-Aを生産するみたいですよ。生産台数が数百台なのでライン生産ではないような話ですけれど。世界で500台とかいう噂ですけれどね。3000万円とも言われる超高級車。どうして田原じゃないのですかね?

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    さといもさん、こんばんは。
    「半年を越える期間契約での労働を想定していなかった」ということは、そうなると出稼ぎではなくなりますから。3年なんてことになると、普通は正規雇用ですよ。そこは企業都合に変えられた部分ですね。奥田経団連会長の力で。
    3年になっても使えましたよ。1年以上継続しての雇用だと出稼ぎ労働の趣旨である「短期雇用」ということではなくなりますから、一般に変更になりますけれど。
    出稼ぎ手帳は発給してる自治体としてない自治体があって、農林水産業に従事している方々の閑期の雇用救済策ということだったのでしょうね。
    1年未満で月の労働日数が11日、月数よりもその月の労働数が一般の14日より少なく設定されていたことと、一時金50日分が一括して2週間後に支給されることが大きかったかな。
    「いつだったか」
    どういう話の流れでのコメントなのか分からないのでなんとも…。
    言えるのは、さといもさんが昨日おっしゃられた「その人の職業や立場などによっても変わってくるだろう」ということでしょうね。
    企業によって傷付けられた人は企業を憎むでしょうし、そういうことをやったのも確かですから。
    派遣切りや期間工切りは盛大に行われましたけれど、正規社員の誰ひとり首を切られませんでしたから。それはやっぱり「悪」でしょうね。

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    そういえば有期契約の最長が約三年になった時に
    出稼ぎ手帳が使えなくのはおかしい!
    と言っていた方が居ましたが出稼ぎ手帳の制度自体半年を越える期間契約での労働を想定していなかったのかもしれません。
    全ての方が正規雇用を望んでいるわけではないけど大半は直接雇用を望んでいる。
    とりあえずはその方向に民主党他には持っていってもらいたい。
    正規雇用を望まない人の理由は人それぞれだけど
    いつだったかここの書き込みにあった
    非正規労働者こそが正義であり経営者や正規労働者は悪である
    との主旨には同感しかねます。

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    御巣鷹さん、こんにちは。
    そうですね、労働力を物みたいにとらえないで、人間関係の中で雇用問題を考えてほしいものですね。
    そのYさんのような人がたくさんいて、ほとんどの給料を仕送りしてお子さん達を学校に行かせていましたしね。
    それも想像力の問題ですから。人生いろいろ、その人のバックグランドをイメージできるかできないか、そんな情緒がいつのまにかこの国の人からなくなってしまったようにも思います。
    政策を決める人たちが現実を知らないということも問題ということもありますしね。
    損をする誰かはいつも弱者だということですしね。企業、国に有利に雇用問題は変えられてゆきましたから。

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    こんばんは。
    今日のエントリー、Made in Japanの話の下りで、ラインで相方だったYさんの事を思い出しました。
    親子ほどの歳の差で、実際に僕と同じ歳のお子さんもいて、2直の帰りに二人でよく飲みに行っては、昔の話なんかを聞くことが好きでした。
    これからの期間工のあり方として、やはり気持ち良く出稼ぎに出られる環境を整えてほしいです。
    一部に循環的受給者がいるから12ヶ月以上とか、景気が悪化して今日からの離職は6ヶ月でおkとか、そんな無様で確実に誰かが損をする政策は要らないですよね。

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