東海テレビ不適切テロップについてお客さんと話したこと

10時なんて時間は主婦だけではなくて、夜勤明けのラインマンやタクシードライバーたちのゴールデンタイムなのだ。
「ぴーかんテレビ」はけっこう好きな番組だった。司会の福島アナの控え目な感じが好きだった。たぶん、世のおばさんたちも同じように思っていたはずだ。遅い朝の目覚めにはちょうどいいテンションのしゃべり方だったり所作だったり、そう感じていた。
あの事件以来、東海テレビを見る機会が少なくなった。「ぴーかん」が打ち切りになって見なくなったということもあって、「水曜どうでしょう」とか「大岡越前」なんてのを見るようになった。あるいは、テレビを見なくなった。その前の時間は珠ちゃんを見る。
「東海テレビのあの事件はひどかったわね」
「ああ、例のあれですか?」
「そうそう、ぴーかんテレビの…。だいたいああいうのを制作する時点でとんでもないわよね。流す流さないの問題じゃなくて」
「そうですね。ポカよけ、というか、誤品を流さないというシステムがなかったんですかね」
「そうよね、いくらなんでも二重三重のチェックは必要よね」
「危機管理が出来てなかった、というか、完全に信じていたんでしょうね」
「まあ、どこにでもそんなオヤジいるのよね、強引でね。セクハラなんてのもそういったオヤジが悪ふざけのつもりでなんてことでやるのよね」
「まあ、罪悪感がなかったりするんでしょうね」
「感情が麻痺しているのかもしれないわね、テレビは」
「どうなんですかね。『テレビの凋落』なんてのを今日ネットでみましたけれど、『一流大学出の秀才たちがテレビ界に殺到してきたからだ』なんてことを言う人もいますよ」
「そうなの」
「ええ、まあ、それはテレビだけではなくて、全ての産業で、例えばホンダの本田総一郎さんや、トヨタの豊田佐吉さんなんて創始者の時代は大卒の秀才なんてのはいなくても、創造的独創的なアイデアで、なにか夢みたいなも追いかけていたのでしょうしね」
「そうよね、組織が大きくなって、学歴重視なんてことになると、違った組織として進化する、あるいは退化するんでしょうね」
「ええ、そうでしょうね、どの企業も、草創期がもっともその企業の色が出ていた頃で、それからどんどん違う色に染まってゆくのでしょうね」
「そうよね。ところで、東海テレビ、あれはどう?」
「どう?と言いますと」
「なんか軽すぎない?責任の取り方がね」
「どうなんですかね。というよりも、企業内のことを言うよりも、ボクたちが見ないことが一番の罰なのかもしれませんね」
「そうね、わたしも最近は全然見てないのよ。見ようとすると子どもに叱られたりね」
「そうですか。1チャンネルが写らなくできるような仕組みとか、そういうことをする業者がいると良いですね。うちは1と2と3は映りません、なんて」
「ああ、それはいいかもね。受信料もそれで払わなくてよくなるとか…」
「あ、ここで良いですか」
「はい、ありがとう。お釣りは良いからね」
「ありがとうございます。またよろしくお願いします」
ヨシダタクシー
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