いつかのメリークリスマス

僕は走り 閉店まぎわ 君の欲しがった椅子を買った
荷物抱え 電車のなか ひとりで幸せだった

aikoの歌う「いつかのメリークリスマス」は確かに良いと思う。切ないブレスをする。というかエロいと思う。
椅子を抱えて電車に乗る男…。椅子だ。たぶんそこそこの大きさなのだろう。それを抱えて歩き改札をくぐり電車に乗り込む。それは難しいことだと思う。「閉店まぎわ」に「僕」の逡巡を感じるし、「ひとりで幸せだった」ということに、「僕」の決意みたいなものを感じる。
たぶん、ボクたちはとても簡単にいろいろなことを済ませている。例えば愛だってそうなんだろうし…。「椅子」を買い、それを「欲しがった」「君」にプレゼントすることは簡単だ。でもね、それを「抱え」て「電車」に乗り、歩いて持ち帰ることはかなり難しい。
12月になった。もう。クリスマスって、いったいなんなんだろうか…。ケーキを食べる日。
ずいぶんと更新しなかったのだけれど、その間のボクはといえば、相変わらずの生活というか、変化のない生活というか、いつものような毎日というか、要するに入院患者ほどの退屈な毎日を送っていた。確かに時間に追われていたにしても、それは朝食の時間とか検温の時間とか服薬の時間なんてことなんだろうし…。
もう12月で、もう一年も終わろうとしている。そういえば去年のサンタが冷凍庫にある。ボクから食べられずに冷凍庫にある。砂糖を固めて作ったサンタ。
部屋を片づけた。「クリスマスキャロル」が見つかった。あの2006年のクリスマスに読んだ本。もう5年。あの冬は寒かった。あの夜の豊橋駅も寒かった。あの夜には、こうしてここに住んでいようなんて思いもしなかったのだけれど…。そしていつも豊橋駅を見ながら生活をするなんてことは想像もできなかった。
こんな感じでこれからの5年があっという間に過ぎて、そのまた先の5年があっという間に過ぎればいいのに。そうして父が死んだ年齢に近づいて、ボクはその日を待つような生活を送る。文明と多少縁を切って、例えば歩いて野に寝る旅を続けてそのままあの世に行きたい。それが夢だったり希望だったりする。
さてと寝るか。
柳家権太楼独演会 in ハートフルホール
11月13日には柳家権太楼師匠の独演会が御津であって、それに行った。演目は「井戸の茶碗」と「子別れ」だった。「子別れ」では泣いた。師匠も泣いているように見えた。その時の写真。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA