なつかしい風景
2011年3月7日
熊本の悲しい事件がテレビに流れている…。
そう言えばKさんやTちゃんと九州沖縄農業センター敷地内の桜を見に行ったことがある。失業中にポリテクセンター熊本で短期の職業訓練を一緒に受講したこともあった。七城温泉ドームがお気に入りだったし、農業公園にもよく行った。
ボクは熊本駅に近いアパートに住んでいて、国道三号線を通って山室交差点から飛田バイパスに抜けて、そんな場所に行っていた。西合志や菊池なんて場所が好きだったのだろうと思う。そうそう「八景水谷(はけのみや)」という地名を「はっけいみずたに」と言って笑われたこともあった。
Tちゃんの勤めていた(今も勤めているだろうとは思うけれど)郵便局もあのあたりにあった。JR福知山線脱線事故のニュースをあの辺りのホームセンターサンコーで知り、しばらく売り場のテレビを見ていた。そんなことを思い出した。
帰りたい、そう思った。どうしてここにいて、どうしてタクシー運転手をしているのだろうか。
ここでも同じように梅が咲き、桜が咲く。冬が過ぎ春が来る。でも、出来事は想い出の中には紡がれないで、ただあの頃のことを思い出すスイッチでしかない。それは、たぶん、この5年とか6年という時間が、ほとんど人との関わりのない空間で、ボクひとりだけで過ぎて行ったからなのだろうと思う。同じような出来事が日々起こるだけで、そこに他人が関わっていないからだろうと、そう思う。
風景の中に、ボクはひとりで佇んでいる。まるで定点カメラの記念写真のように、ボクはボクの記憶の中にいる。