18きっぷの頃

「趣味は散歩です」なんてきっと若い頃には言えなかっただろうなあ。ついでに「休みの日はもっぱら部屋の窓から空をながめています」なんて、もっと言えなかったと思う。なんだったんだろう、あの焦燥感とか喪失感なんてものは。
夏休み直前にも受け入れがあったトヨタの期間従業員なのだけれど、その人たちも含めてかなりの数の期間従業員や派遣社員の人たちがトヨタやアイシンの寮に夏休みの間もいて、タクシーの需要もけっこうあったようだ。ギャンブルをする人たちは勝っても負けてもお金を使う。豊橋市内からヒルタウンや野依寮なんて3000円近くの距離をタクシーで往復するし、田原市内の寮まで6000円なんて払って帰る人もいる。そんなに払うんならホテルに泊まればいいのに…。
中には読書三昧なんて人もいるのだろうし、旅に出かける人もいるのだろう。期間従業員のとき、帰省には18きっぷを使った。10日なんてたっぷりと時間があるもんだから、時間を贅沢に使っての旅ができた。行けるところまで行って、泊まるところがなければ野宿もした。
鈍行とはいえ、発展途上国の交通事情と比較すれば早い。なによりも清潔で安全だ。2日がかりでバスを乗り継いで300キロの道のりを旅するなんてことを思えば快適なものだ。時間があっても急いでしまうというのは、もうこの国の病みたいなもので、あの煙草臭く窮屈なパチンコ屋の椅子には1日中座っていられる人たちも、鈍行列車には3時間も座っていられない、というのもおかしな話だ。ビール電車とかお電車(おでん車)なんてのがあるのだから、パチンコ列車ってのも良いかもしれないなあ。あとシネマ電車とか、メイド電車なんてのもね。
「旅行行きたいなあ」なんて言ってみる。時間がありそうでないんだよね。18きっぷを発売しているので、それを買ってどこか行きたいなあ。と、ヤフオクをのぞいてみる。2回分(2日分)で5500円が相場かあ。東に行きたいなあ。フクシマとか。
そのあたりが今のボクに行ける精一杯の遠出かなあ。温泉とか旅館に泊まって美味しいものを、なんて旅ではないのだけれど、きっと車窓からの風景が忘れかけている旅心みたいなものを蘇らせてくれるかもしれないと思っているんだ。
18きっぷ
物持ちが良いもんだから、過去の18きっぷを持っていたりする。と言ってもトヨタに来るようになってからのものだけれど。ああ、懐かしいね。JR発足20周年記念の18きっぷは8000円だったね。

1件のコメント

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    こんにちは。たまに読ませてもらってます。
    18きっぷいいですね。
    ぜひ有給とか使って、旅してください。

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