咲いたよ
2015年3月26日
桜じゃなくて、シャコバサボテン。クリスマスカクタスとかデンマークカクタスなんて言ったりするんだけれど、うちのはクリスマスの時期には咲かないで毎年この時期に咲く。カニバサボテンの血が濃いからなのだろうと思っている。父の形見。ボクと一緒に流れ流れて20年の歳月。いろいろなものを捨ててきたのだけれど、例えば親とか兄妹さえも捨ててきたのだけれど、これだけは捨てられなかった。
今年の春は、なにひとついいことがなくて、切ない。暖かな外の日差しと、楽しそうな子供たちの声を、カーテンで遠ざけて、ボクは眠るのが唯一の楽しみで、その眠りに現れる夢にだけに永遠がある。夢は、過去の夢はよくみるのだけれど、初詣も花見も、今年はなにひとつできないでいて、どうせならこのまま死んでしまえばいいのに、なんて自分を呪ったところで、少しの期待とか、わずかな希望とかが、まだ残っていて、捨てられないでいる。
みんななにが楽しくて生きているんだろうね。やっぱり捨てられないでいるだけなんだろうか。