七草

今日から仕事始めのところも多くて、やっと街は日常の風景の中にあるのだろうけれど、雨。正月を故郷で過ごした派遣社員や期間従業員の人たちにとっては、通勤バスの湿った空気や曇った窓ガラスに、きっと、昨日までの風景が思い起こされるのだろうと、思っている。今年は良いことあるかしら、なんて思ったところで、それはわが身の不幸を確認する作業だということに気がついて、ため息ひとつ。

早いもので、というか、正月なんてのは他人事で、ボクはただ昨年から続くシフトの中で生きている。スーパーで売られている「七草粥セット」に時の流れを感じた、今日。年賀状の返事も書けないまま、ボクはすでに酔いの中にあって、その向うにある過去の想い出を懐かしんでは、またため息ひとつ…。

「酒を飲め。こう悲しみの多い人生は眠るか酔うかしてすごしたほうがよかろう」(オマル・ハイヤーム)

蓬莱泉 初しぼり

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