非正規雇用禁止令、どうでしょう。

「そういった働き方」という非正規労働者としての働き方は、例の「フリーター」という耳ざわりのよい造語によってカッコいい生き方として1980年代初めからこの国に広まっていった。
主婦や学生がパートやアルバイトとして非正規として「そういった働き方」をする分にはなにも問題はなかったのだけれど、そのうちにそういった働き方を企業が利用するようになっては、労働力のダンピングや雇用の調整弁として、そのカッコいい働き方に国家が政策として若者を誘導するようになったのが、今日この国が抱える雇用の不安定化の流れだ。
期間工も半年、最長で1年なんて短期で契約が終了していたものを、2006年の法改正でトヨタ自動車をはじめとする製造業は期間工なんて短期の「期間」ではなくて、3年なんて長期の「通年工」「常用工」としてこの国の若者を使い捨てし、正規化を阻害し続けている。今年の派遣法の改正ではいよいよ一生派遣なんて人たちが生まれることになった。
本意非正規社員なんてものは、そもそも存在しなくて、政治と経済によって作り出されたものなのだ。あったとしても、農閑期にそれこそ出稼ぎをする本来の意味での期間工で、そういった人々には故郷という集団があり、その一員だった。
非正規での期間がながくなり、非正規として生きなければならない若者は自分の属する集団を喪失してしまった。ボクたちはムラも長屋も失くしてしまって、独りで生きなければならない時代にいる。「非」ということはそういうことだ。社員としてどこかのムラに所属し、会社という長屋の住人であれば、ボクたちには、例えば労働組合という大家が親代わりになってくれていたし、なにかあったら「大丈夫か」と声をかけてくれる人たちがいた。
もう一度言う、そもそも「非正規社員」なんてものは存在しなかったのだ。みんなどこか社員だったし、それが普通の働き方だったのだ。非正規として働いていた人たちは主婦や学生がほとんどで、そういう人たちは旦那や親のムラに属して長屋に住んでいたのだ。
いつからか「そういう働き方」なんて企業の都合のいいロジックで雇用が語られるようになった。そうして実は国家と企業は「非正規」なんてものを失くす努力をしなければならなかったのに、経済というこの国の唯一神のために、この国の若者を生贄として捧げてしまったのだ。
そういった痛ましい差別の結果、若者はこの国からいなくなり、いたとしても去勢されてしまっては今さら「正規」なんて働き方を求めることもできずに、「そういった働き方」を選んでしまうようになった。国家は高齢化し少子化した。
そして今もなお「そういった働き方」があることにして、それを推し進めようとする人たちがいる。
ダメなんだよ、「非」なんて差別をしては。そういった働き方を国を挙げて失くしてしまわないと。ボクたちはどこかに所属してこそ国家意識なんてものが生まれるんだから。企業もそういった働き方を認めてはダメなんだよ。それを利用しては。国家総動員で若者を「正規」化しないとこの国は衰退する。というか、すでに死臭が漂っている。
アイシンAW
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日刊ゲンダイDIGITAL|女子大生に関係迫る トヨタ系優良企業「アイシンAW」で何が?
人の評価は怠ったわけですね:P
理彰のことは嫌いになっても章夫のことは嫌いにならないでくださいっ!

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