賀茂郵便局強盗事件で考えたこと

長閑な田園風景の中にある郵便局をなぜ犯人が狙ったかのか、そのたったひとつの理由は、街に「防犯カメラがない」ということなのだ。そして東名高速道路に近いという逃走経路や、それゆえのよそ者の侵入を不審に感じない土地柄、それが狙われた理由なのだろう。

多くの事件は「防犯カメラ」の映像がきっかけで、あるいは、それを証拠に解決する。昨日逮捕された寝屋川中学生殺人事件も「防犯カメラ」から犯人が特定された。最近の犯罪抑止力は警察という権力でもなく、罪や罰の重さでもなく、そして人としての理性や道徳なんてものでもなくて、「防犯カメラ」なのだ。

昭和の時代には、世間の目という「防犯カメラ」が悪を抑止していた。事件の現場、賀茂地域も無施錠で留守をしても泥棒に入られるなんて心配がなかったはずだ。よそ者の侵入を地域社会が阻止していたのだ。核家族になり近所の付き合いが希薄になるにしたがって、玄関だけではなくて、二階の窓もトイレの小窓も開けては外出できないほど、治安は悪化していった。そうして外部から侵入しやすい交通環境になった。

今回の事件現場こそがそうなのだ。犯罪は長閑な場所で起き、そして迷宮入りする。例えば、この地域では、豊田女子高生殺人事件、豊橋全裸女性絞殺事件、キーワードは畑。愛知県警がマヌケというわけではなくて、事件現場に「防犯カメラ」がなかったから犯人が捕まらないのだ。逆にいえば捕まらない犯人が調子に乗って再犯を繰り返す、そんな治安の悪化を招いている。

ではどうすれば良いのだろうか、防犯カメラを増やすということもひとつの方法だろう。ただ、設置式の場合は、そして賀茂のような戸数の少ない地域では、カメラの位置を特定されそこを避けての犯罪が行われるだろう。

そこで、動く防犯カメラを設置するということのほうが、犯罪の抑止力になるのではないか。例えばタクシーに24時間録画する車載カメラをアンドンにに設置するなんてことはどうだろう。360度全方向録画するようにすれば、かなりのエリアをカバーするだろうし、なによりも「いつ撮られるか分からない」という犯人の心理が犯罪を抑止するのではないかと思うのだ。

GPSと連動させれば、事件事故の目撃情報の収集が迅速になり「事故の目撃者を探しています」なんてのん気な看板を立てることもなくなるに決まっている。それになによりも、今回のような悲惨な事件も少なくなるはずだ。

なんなら予備防衛官みたいに、タクシー運転手が予備警察官になってパトタクシーのような仕組をつくってはどうだろう。きっと「こども見守り隊」ぐらいに(いやもっと)効果があるはずだし、愛知県警の犯人検挙率も上がるはずだ。きっと。

豊橋市賀茂郵便局強盗事

豊橋の郵便局強盗の映像公開 豊橋署:愛知:中日新聞(CHUNICHI Web)

 豊橋市賀茂町の豊橋賀茂郵便局に二十日、男が押し入り、五十万円を奪った強盗事件で、豊橋署は二十一日、郵便局の防犯カメラに写った容疑者の映像を公開した。
カメラは、男が郵便局に入る直前=写真(右)=や、カウンターで拳銃のようなものを突き付けている現場=同(左)=をとらえている。男の着用するかっぱは、室内か外か、光の関係でやや違った色に見える。

3件のコメント

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    >元2塗装さんへ
    稲の生育という問題があるのかあ。それで暗い場所が多いのですね。隣は都会、確かにそんな場所が愛知も多いですね。
    そういうことが犯罪が多いという理由なのかもしれませんね。
    >さといもさんへ
    地相みたいなものがあるのでしょうね。人がなにかを犯したくなるような場所ってのがあるのかもしれないと、思ったりしています。

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    かつて豊田市の寮が密集してる地域にある美山郵便局に強盗が入った事がありました(犯人は逮捕されています)。
    ここもよく考えたら高速道路がすぐ近くにありますね。

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    寝屋川市の事件ですが、会社が寝屋川市にあり、犯人逮捕の日も
    消防や警察が淀川の探索を行っているのを見ました。
    豊田女子高生の時には、すぐ近くの豊田の寮に居ました。
    田んぼなんかは、稲の生育に悪いので防犯灯を付けなかったり、
    付けようとしても農家の反対にあったりします。
    (防犯灯は自治会の管轄なので)
    これからどんどん、暗い場所や、カメラの無い死角が消えていくんでしょうね。

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