豊橋市コロナウイルス感染状況(1月30日)
「重症化しにくい」「重症化率、死亡率低下」などと、コロナウイルスオミクロン株のことを言っている、というか喧伝している。あるいは「風邪と同じ」などと言う。だから、感染者が増える。急増したものだから対応できない、そのことがさらに感染者を増やし症状を悪化させる。
数や重さではない。一人でも苦しむ人がいれば、一人でも亡くなる人がいれば、それは重い問題なのだ。そもそも風邪薬はあるが、コロナ薬をボクたちは薬局で買うことができない。「風邪と同じ」「症状」があるというだけで、決して「同じ」ではない。
ピークアウトなんて言葉も、嫌な気分になる。その数の中に含まれる人の痛みや悲しみ……。ひとりひとりの痛みや悲しみ苦しみが、数によって希釈されてしまうような、嫌な感じ。
そんなことを柳美里さんのツイートを読みながら考えた。
豊橋市の感染者数
豊橋市の感染者も増えている。痛みや苦しみだけではなく、不安や恐怖も増え続ける。肉体的なものだけではなく、心の痛みや苦しみも増える。感染したらただでは済まないという共同体の掟が「風邪と同じ」と言うコロナで重くのしかかる。感染者になったら、そして濃厚接触者になったら出勤できない。
豊橋市新型コロナウイルス検査数、陽性者、陽性率推移(令和2年2月~令和4年1月)
豊橋市新型コロナウイルス検査数、陽性者、陽性率推移(令和4年1月週間)
タクシー業界について
タクシー界隈は、ずっと試練の日々を送っている。それは飲食店などでも同じことなんだろう。
ボクたちは、2年もの間、黙々と、エッセンシャルワーカーの務めを果たしてきた。
誰もいない深夜に、人通りの絶えた街で、例えば陣痛タクシーの用命があるのではないかと、例えば病院に危篤の親を見舞う人がいるのではないかと、例えば移動しなければ人命にかかわる人がいるのではないかと、例えばタクシーがなければ飲酒運転が多くなるのではないかと、そんな使命感と恐怖とに震えながら、この狭い車の中で、朝を、いつかは明ける夜を、待ち続けている。
それも、長引けば続かなくなる。使命感だけでは生きていけない。夜が明け朝が来るという希望がなければ、辛くなる。そして悲しくなる。この辛さや悲しみは、コロナという病のせいだ。
少しだけ、ほんの少しだけ灯が見えているとすると、愛知県が行う集団接種にエッセンシャルワーカー枠が設けられ、タクシー運転者も早めに3回目の追加接種ができるようになったということ。それでもボクたちは、本当に夜が明け、朝が来るのかさえも分からないでいて、ただ感染しないように、休日も、この狭い部屋に引きこもっている。