プレミアムフライデーとふるさと納税一色町うなぎ旅

「一色うなぎを食べてみたいもんだ」というのが、ふるさと納税を西尾市にした、ひとつの理由だった。うなぎに関しては、ここ豊橋市も有名なのだけれど、「ねえねえ、うなぎ食べた?」なんて話になると、豊橋<一色というのが全国的な認知度らしい。

もうひとつの理由は、税金の使途に「公共交通対策に関する事業」というのがあったからだ。「そうだね、末端ではあるが公共交通で生きているもんね」なんて、思ったからだ。

納税したのが去年のことで、返礼品の食事券「うなぎづくし御膳」が届いたのも去年のことで、忙しさに追われ、ついつい「うなぎ」も「公共交通」も、すっかり忘れていた。部屋の片隅(片隅があるほど広くはないのだけれど)に、チラチラと善意と欲望の食事券が見え隠れしていて、有効期限があることも分かっていたのだけれど、「公共交通対策」が目的だし、一色町は遠いし、それほどうなぎは好物でもないし(お店で食べるのは3年ぶりぐらいの好物度)、なんだかもうどうでもよくなっていた。

どうでもよくなっていたのだけれど、時価6000円程度(たぶん)の食事券だし、プレミアムフライデーだし、外出脅迫症みたいなものまで発症しそうだし、なんてことで、緊褌一番(それほどおおげさでもないのだけれど)、うなぎ旅をした。

ふるさと納税 西尾 うなぎづくし御膳

目的地は、うなぎの聖地である西尾市一色町にあるうなぎの兼光さんだ。兼光養鰻さんが満を持して開店した直営店だ。きっとおいしいに決まっている。なんていっても直営店だ。聖地だ。食べログの評判も良い。

ボクたちは、うなぎの唄を歌いながら、ちょっと興奮しながら、そしてお腹を空かしながら、県道を走った。そうして17時の開店少し前に着いた。はやる気持ちを抑えながら、「開店と同時に入ったらいかにも素人だよ」なんて、うなぎの唄を歌いながら、少しだけ、5分だけ、待った。

うなぎづくし御膳は、きっとボクのような志と善意をもって西尾市に納税している人たちの欲望を満たすために(普通、志と私欲は同居しないのだけれど)、きっとひと肌もふた肌も脱いでいるに違いない兼光社長の肝いりに違いないと思った。(だって、どう考えても、納税額<うなぎづくし御膳なのだ)

一色町 うなぎ兼光 うなぎづくし御膳

ボクたちが「肝十」と名付けた、肝焼きは10匹分の肝が炭火でコンガリと焼かれていて、酒がすすんだ。もちろん日本酒の熱燗だ。うなぎは皮カリに身ホクホク、美味しい。酢味噌で食べたのも初めてだった。ボクは、すっかり酔ってしまっていたのだけれど、うなぎ屋さんで長居なんてのも、なんだか悪い気がしたし、「肝十」の効果なのだろうか「頑張って帰るかあ」なんて精気が出て、帰ることにした。

うなぎの兼光 肝十

もちろん、帰路も、ボクたちはうなぎの唄を歌っていた。そうして、うなぎの兼光さんと西尾市の公共交通政策がうまくいくように祈った。

部屋にたどり着いたボクは、なんとなくまだ酔っていて、そうしてなんとなくまだ歌っている。

うなぎ美味し一色、うなぎづくし兼光~♪

一色町うなぎ旅は終わり、プレミアムなフライデーの夜もふけてゆく。すべての人が納税に対してプレミアムな感覚を持てるようになることが、嘘っぱちな日を設けるよりも肝要なのだろうと思った。満遍なくプレミアムな日が来ますように・・・。

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