豊橋女性殺人事件秘話

5年前、豊橋市大村町のアパートで女性が殺害された事件の犯人が逮捕された。

ちょうど5年前、もう5年も前になるのかと、今朝の職場はその話題でもちきりだった。働いていた豊橋駅西駅のスナックを出てタクシーで帰宅後に殺害されたと報道されたものだから、当時ボクたちタクシードライバーの何人かも職務質問されたし、かなり疑われた人もいるようだった。

「ヨシダタクシーに乗ったらしいよ」とか、「大村町なんで豊鉄タクシーが怪しいんじゃね」なんて・・・。

実はボクも疑われたひとりで、そうして今だから話すけれどこのアパートにも愛知県警の人が来て、いろいろと質問をされた。

その理由ってのが、このブログの記事で、日本の警察の検索力はすごいと感じた。だって、ここを探し当てるんだから・・・。

その記事の一部・・・

生活保護(という国家の脅迫)から、水商売(という努力)によって、結果的に死んだとすれば、やっぱりこの国の保護なんてのはどこか冷たくてどこか間抜けな感じがするのだ。

勇気があるやつは首を吊り、やる気があるやつはヤクザになる。なんにもできないやつは人に小突かれ叩かれて「すみません、すみません」と頭を下げるだけ。図太さもないものだから生活保護なんてもらっても「働きなさい」という役人のひと言にやりたくもない客商売。最後にゃ縛られ殺されて、それでも「すみません」とキチンとたたんだ下着が言っている。

豊橋女性変死事件で考えたこと

最後の一行の『最後にゃ縛られ殺されて、それでも「すみません」とキチンとたたんだ下着が言っている』がどうも犯行現場と一致しているらしくて、「どうして『キチンとたたんでいた」なんて書いたのですか」とか、「生活保護なんて報道にはないですけれど、どうして知っているのですか」なんて、2時間ぐらい職質された。事件から半年ぐらいすぎた頃だっただろうか。

そうしてキチンと指紋まで取られて、なんだか嫌なカンジだったので、玄関を出た刑事の背中に「ファック」なんて呪いの言葉をかけてやった。

「『キチンと』ってよく使うんですよ」なんて言った。「もう少し若ければ街娼にでもなれたのでしょうけれど」なんてボクの想像を話した。そして「ボクももう少し若ければヤクザになったかもしれませんが」なんて言った。

そうしてボクは「きっとキチンと捜査しないで迷宮入りになるんだろうなあ」なんて、殺された女性が死後も国家から差別されるだろうことを考えていた。

犯人逮捕の報道に、なんとなく、ボクはホッとした。
でも、身寄りのない女性が、そうして世の中の底で生きている女性が、もしも本当に、キチンと下着をたたんで亡くなっていたとしたら、本当は、本当は、その犯人である恋人が最後まで捕まらないでいてほしいと願って、そうして少し笑って亡くなったかもしれない、そう考えると、なんとこの世の哀しいことかと思えてくる。

死んだほうがシアワセなことだってかなりある。世の中の底の夜の底で蠢いている人たちのシアワセなんてのは、せいぜい酒を飲んで哀しみを紛らわすだけなのかもしれないと思う。もう夢も希望も、そうしてそんな言葉も失って、ただ食べて飲んで寝るだけの生活が、文化的な生活とはほど遠い生活が、それがシアワセだと思い込もうとしている人たちが、この豊かな国にもかなりいるってことを、知っているのだけれど、それを自助努力なんてコトバひとつで片づけようとする人も多い。

だって、もうどうしようもないことだってあるのに、だって、努力し続けても世間というものにハジカレルことだってあるのに、だって、ココロの病だってことだってあるのに・・・。どうしようもないことばかりなのに・・・。

どうしようもなくて、ボクもこうしてまだ世も夜もその底が見えないところで酔っぱらっていて、死んだように生きている。いやもう死んでいるのかもしれないと、思ったら、なんとなく身体が軽くなった。

彼氏が捕まったことは良かったのかい?
それはあんたにとってシアワセなことなのかい?

豊橋女性殺害事件秘話

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