感染列島

感染列島…

フィリッピンの北部山岳地帯で新型インフルエンザが発生する。
「Don’t worry,Don’t worry」小林栄子(壇れい)の無邪気な声が聞こえる。鮮やかな緑、黄いろい防護服。

その三か月後、東京都いずみ野市市民病院で発熱と激しい咳をする男性が診察を受ける。インフルエンザの結果が陰性だったため、2、3日安静に、と診察されるが、翌日激しいけいれんと吐血を起こし死ぬ。白衣に沁みる赤い血。

そこから感染が拡大してゆく。最終的には感染者数3950万人、死亡者1120万人。

原因は東南アジア、アボン国ミナス島のエビ養殖場で発生した謎の病気だった。ミナス島で医療ボランティアを行っていた医師が宿主となって日本に侵入したのだ。いずみ野市市民病院で最初に亡くなった男性の義父。

妻夫木聡、檀れい主演映画「感染列島」のあらすじだ。

ウイルス名「Blame」

ミナス島のエビ養殖場で畜産大学教授、仁志が、そこのヘドロを手にすくい言う。
「人間は自分たちで生きる場所を、自分たちでけがしとる」
「ウイルスも人間と同じですね。だって宿主を殺したら自分も死ぬのに、それでも宿主を蝕もうとしとる」

ウイルスとの共存を説く。

発生源であるエビ養殖場で養殖されたエビのほとんどは日本をはじめ先進国へ運ばれる。

自分たちが生きるために自分たちの土地をけがしている、というよりも、自分たちの欲望のために他人を犠牲にする。自分たちの土地ではなく。

「Blame」神に裁かれるのは、常に人間だ。

公開された2009年には、豊橋でも鳥インフルエンザが発生した。さらに2011年にも発生した。2018年、2019年には豚コレラが発生し数万頭の豚が殺処分された。

新型コロナウイルスに有効なワクチンが開発され、今の、この騒ぎが終息したとしても、ボクたちは次なる「Blame」に脅かされる。ボクたちが神によって殺処分される。

ウイルスを隔離するためにマスクは毎日着用するようになってボクたちは「マスクをしたサル」になる。それでも欲望から逃げられはしない。パンツをはいて、服を着て、マスクをしたところで、欲望を止めることはできない。

サルたちはこれからも裁かれる。サルたちの欲望があるかぎり。

映画感染列島スクリーンショット

映画「感染列島」

outbreak映画「outbreak」。1967年、アフリカ、ザイールのモターバ川流域で原因不明の出血熱が流行する。多数の死者を出したその伝染病モターバウイルスは、1990年代になって宿主であるサルが密…
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