ファミレス遍路(34日目の1)

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エコノミスト氏との不思議な夜を過ごし、寝不足のまま浅海駅を6時15分に出発したボクは国道196号線を海沿いの道路を歩いていた。少し行くと菊間町に入る。菊間瓦で有名な町だ。製瓦会社が国道沿いの軒を連ねる。お接待所もあってその有名な陶製のカエルを「どうぞお持ち帰りください」と置いていた。「無事帰る」に引っかけたお守りだ。

菊間の鬼瓦 鬼が睨んでいる
(菊間の鬼瓦)

ボクは何個かいただいて、それをザックにしまいこんだ。少し休憩してからまた歩き始めた。天気が悪くなっていった。雲が重く立ち込めていた。雨の予感。気温も下がっていた。

お腹が痛かった。寝不足なのか冷やしたからか、トイレに行きたかった。巡礼中は便秘気味だったのだけれど、それは野宿にとってはありがたいことだった。トイレに心配をしなくていい分ねぐらの条件が少なくなる。

菊間町市街地を抜ける。途中番外霊場遍照院があったのだけれど、多くの人が掃除をしていたので「トイレ」と言い難かった。駅は少し道から外れた場所にあったで、そのまま歩いた。その先旧道入り口ところに公園があったのでそこに寄った。雨も少し降り出していた。8時20分。

8時35分、レインジャケットを着て出発。旧道を通り太陽石油菊間製油所のところを196号線に戻る。伊予亀岡駅をすぎて亀岡郵便局のATMで預金を下ろす。今回は早目に下ろした。それからまた歩き始めた。途中「延命寺に行くんだったら乗せていくよ」という運転手さんから声をかけていただいた。「ありがとうございます、歩いて回っているもので」とお断りした。そういうことが何度かあった。

10時00分、星の浦海浜公園到着。雨は止んでいたけれど風が強かった。大きな公園だった。整備されていて野宿には不向きだろうと思った。整備されていて綺麗すぎると、逆に野宿しにくいものだと考えていた。10時15分、それから旧道を通って延命寺に向かった。その時は晴れていた。

菊間町太陽石油菊間製油所手前から菅笠の上に臍(へそ)島
(菊間町の臍(へそ)島)

よく分からない天気だった。レインジャケットを着たり脱いだりという日だった。予讃線の踏切を渡り、しばらくすると196号線と再度交わる。と、Joyfllが見えた。10時30分、昼食には少し早かったけれど、朝食もまだだった。寝不足はそのまま腹痛にも空腹にも繋がっていた。ボクはそのファミレスに入った。そして日替ランチと味噌汁、ドリンクバーを注文した。ファミレス遍路だった。

閑散とした店内で、ボクは携帯の充電を考えていた。もう電池がなかった。昨日の長電話で残量が0になっていた。Joyfullの店員に頼んだら「どうぞ」と言ってくれるだろうか、いや言うこと自体間違っているのではないか、なんてことを考えていた。考えていたのだけれど、そのまま食事が終わると店を後にした。11時15分だった。延命寺まで3キロ弱のところだった。

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