鴇田(ひわた)峠遍路道(31日目の1)

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内子町大瀬、川口橋バス停。5時30分に目がさめる。準備をしていると朝の放送が始まる。ベートーベンの「第九」だ。遍路としては般若心経のほうが心地いいかもしれない、と考えた。6時15分出発。ダラリとした坂道を下る。柿の産地らしく、道路には無人販売所がいくつかあった。千人宿大師堂には泊まれるということだ。川口橋からもう3キロ。あの時間からだと無理だったか。

薬師堂を背景に濡れる菅笠「迷故三界城」
(雨、薬師堂、およりん市にて)

7時30分、国道379号と380号の分岐点に到着。ここからルートが3つある。

  1. 左折して379号を吉野川沿いに登ってゆき上田渡から県道42号、室屋台、三嶋神社、下坂場峠、そして鴇田峠を通り久万町内に出るルート
  2. 左折せずに小田を通り380号線を大平川沿いに進み大平、真弓トンネルの手前を左折畑峠越えの畑峠遍路道を通り1のルート三嶋神社に出る畑・鴇田峠遍路道ルート
  3. 2のコース380号線を真弓トンネルをそのまま通り県道42号線父二峰に出て左折、農祖峠を越して久万に出る農祖峠遍路道ルート

小田に道の駅もあり旅館も数軒あるので、前日宿泊して2、3のルートで大宝寺を打つのに良いコースだろうと思うし、3にいたっては国道沿いという安心感や利便性もあるだろう。

ボクは1のコースを選んだ。雨が降っている山間の道は寂しくもあり、そしてコンビニなんてものもないのだけれど、それが遍路といえば遍路だし…。確かに鴇田峠越えはきつかったのだけれど…。

9時少し過ぎ、上田渡の「およりんか市」にて休憩。市はお休みだった。雨が激しくなっていたので雨宿り。そしてトイレ。冷えたのかお腹の調子が悪かった。雨が止む気配もなかった。ここで朝食。カロリーメイト、チョコレート、途中お接待でいただいた柿、それに紅茶。

9時30分、雨の中出発。そのまま歩き続けた。11時00分、三嶋神社着。雨は小降りになっていて、少しすると止んだ。それでも雨雲は低く山の稜線を隠していた。

12時40分、鴇田峠到着。少しだけ休憩した。昨日の朝、コンビニで買って以来、非常食としての買い物をしていない。そしてコンビニがないのでゴミも道の駅から持ち歩いていた。空腹だった。前日のかば忠飯店のランチや道の駅のたこ焼きを思い出していた。

13時20分、久万町内に出る。国道33号線を右折して松山生協に行く。弁当、巻き寿司、パンを買う。巻き寿司をかじりながら大宝寺に向かった。

ミゾレが降り始めた。雨雲は雪雲へと変わっていた。膝が少し痛み出した。峠越えでまた悪化したのかもしれないと思った。それよりも歯が痛くなった。巻き寿司を食べ終わると、鎮痛剤を飲んだ。大宝寺山門だった。

晩秋 鴇田峠にて 紅葉した落葉と金剛杖
(晩秋 鴇田峠にて)

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