うわじまユースホステルにて(28日目の3)

◁前へ 目次 次へ▷

松尾峠遍路道を下って、そして国道56号線に出た。空は雨の重さで弛んでいて、ところどころでそのまま地上に落ちそうになっていた。15時10分、番城小学校前バス停で休憩。56号線からこの道への分岐点が工事中で少し迷った。雨が少し降り出した。15時20分発。少し急ぐ。市街地へ入ってゆくにつれて道が分かりにくかった。

国道56号線 宇和島市内にて「松山まで100キロ」の標識
(松山まで100キロ、3日……)

宇和島署、馬目木大師、その先を右折、うわじまユースホステルは地図には矢印で方向だけ書かれているだけで、その場所は載っていなかった。「勧進橋より1.7キロ」、その勧進橋を渡り右折。迷う。そして訊ねる。少し言ってまた訊ねる。と3度ほど繰り返して、その山の麓のタバコ屋さんの公衆電話から電話した。携帯は充電切れだった。

部屋はあるということだった。ただ「剣道大会があって子供がたくさん泊まっていますけれど」と聞いてきたので「かまいません」と答えた。初めてユースホステルに泊まることになる。年齢制限があったり、ミーティングなんてのがあったり、と思っていた。そういうのが面倒で利用したことがなかった。

そのユースホステルは山の中腹にあった。最後は急な坂道を息を切らして登った。16時50分到着。幸いなことに雨は小降りになっていた。そして簡単なチェックインと、袋状になったシーツの使い方、お風呂の時間、休憩室の使い方などを聞いた。今のところはその3人部屋はボクひとりだった。「来ないでくれ」と祈った。

それから販売していたカップうどんとスナックパン8個入り、カロリーメイトの夕食をとった。17時30分だった。18時になると風呂に入った。子供たちは食堂で夕食を食べていた。親を入れて15人ほど。風呂から上がると休憩室のコーヒーを2杯飲んで、それからベッドに横になった。雨が強く降っていた。「ついてる」と思った。雨の日が何日かあったけれど、いつも屋根があるところで眠ることができたし、今日も眠れる。

横になるとすぐに眠くなった。1時間ほど寝た。そしたらオーナーが「相部屋お願いします」と入ってきた。起き上がって同宿の人を迎えた。オーストラリア人のバックパッカーだった。「Hello」と言った。「Oh!ohenrosan」なんて言って掛けていた白衣や菅笠を指差して大げさな喜び方をした。それから少し話して、彼は風呂に行った。ボクはそのまま寝た。戻ってきた彼は電気を消して荷物の整理をしたら、すぐに眠ってしまった。20時まで宿を探しまわったのだろうか。それとも遅くに宇和島に着いたのだろうか。ヒッチハイクや電車、バス、なんでも使っての四国の旅だと言っていた。

イビキが聞こえていた。窓の外は雨音がしていた。ボクはしばらくその両方を聞いていた。そしていつの間にか眠りに落ちていた。

森の宿 うわじまユースホステル ~日本でいちばん到達しにくい宿~

踏切を電車がゆっくりと進む
(宇和島駅近くの踏切……次の朝は晴れた)

この日の行程:須ノ川公園(南宇和郡愛南町須ノ川)~うわじまユースホステル(宇和島市大超寺奥丙)

この日の札所:なし

この日の宿泊:うわじまユースホステル

この日の出費:4,909円(納経代、お賽銭別)

・ドラッグササオカ宇和島津島町店
EVE20錠入り 498円
ドリンク剤 128円
のど飴 98円
(小計 687円)

・食堂桃太郎
ランチ 700円

・サンクス津島店
ウイダーインゼリー 204円
ほがらかひとくちチョコ 105円
スナックパン8個入り 179円
ニッスイ ジャンボソーセージ 113円
ユーラク ブラックサンダー 31円
(小計 632円)

・宇和島ユースホステル
宿泊代 2500円
カップうどん 150円
(小計 2650円)

・自動販売機
缶コーヒー×2 240円

◁前へ 目次 次へ▷

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA