個人タクシーのUターン開業について

個人タクシーのuターン開業とは、都市部で個人タクシーをやっていた人が、uターンやiターンをして、地方で営業できるという制度です。

国交省の「ラストワンマイル・モビリティ/自動車DX・GXに関する検討会」で検討され、「制度・運用の改善策(案)」1として5月にまとめられました。

ラストワンマイル・モビリティに係る制度・運用の改善策(案) 個人タクシーのUターン開業

地方のタクシー運転手不足を解消するための改善案です。つまり、「人口が少ない地方部」「法人タクシー事業者が撤退してしまった地域」で、個人タクシーの経験者を活用しようというものです。

いくつかの問題点をまとめてみます。

個人タクシーの認可要件

個人タクシーを開業するためには、30万人以上という人口要件があります。それにより「人口の少ない地方部において」は認められません。その認められていない地域に、都会の個人タクシー経験者が2、uターン、iターンして開業できる、というのがこの施策です。

個人タクシーになりたくてもなれない人たち

地方のタクシー運転手は、これまで長い間、その「人口の少ない地方部」で糊口を凌ぎ、その地方の「足」を必死で守ってきました。その中には、個人タクシー事業者として開業したい、そう考えている人もいます。無事故無違反で十数年頑張ってきた人もいます。

個人タクシー開業の要件は揃っているのに、なれない。そういう人たちのこれまでの努力や、心情はどうでも良いのでしょうか?

それが問題なのです。いえ、それこそが問題です。する、しない、あるいは、したい、したくない、とは別の話なのです。要するに、制度による差別なのです。

問題解決のために

そのためには、個人タクシー開業要件の緩和を行うことです。人口規制を解除しなければ、納得できないのではないのでしょうか。ボクは納得できません。そして、これがまかり通るのなら、タクシーは辞めます。地方でタクシー運転手をする人がいよいよいなくなります。本末顛倒なのです。

さらに、法人タクシー事業者による運行管理を条件とするとのことですが3、就業規則も同じ扱いになるのでしょうか。特に、定年については、法人事業者の基準になるのでしょうか。違う、ということになるのではないのですか?そうなると、また問題が出てきます。

個人タクシーのuターン開業の前に

確かに、地方の運転手不足は深刻です。故に、この解消策を考えたのでしょう。

でもね、これまで述べてきたように、これではあまりに、地方の運転手がかわいそうです。せめて、彼/彼女たちにも、個人タクシー開業の道を作った上で、個人タクシーのuターン開業、iターン開業を可能にしてもらいたい、そう願っているのです。

そうしないと、真面目にやっても報われないんですよ。というか、結局、都会に出なきゃダメなんだよ、なんてもうイジケてしまっているんです。

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個人タクシー開業の話

  1. ラストワンマイル・モビリティに係る制度・運用の改善策(案)
  2. 1年以上の個人タクシー事業の実績のある者に限るという条件はあります
  3. 当該地域における地理や実情に通じた法人タクシー事業者による運行管理を条件とする、という開業条件

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