すべての期間従業員は…(2)

所得格差が固定化されると、結局はブルースさんの言う「自ら無駄な勢いを省いてしまう」人が多くなるように思います。日本の所得格差の原因は非正規雇用が原因だということを、経済協力開発機構が発表しました。格差の固定という、もうどうしようもない状況になると、人は夢なんてものを見ることも出来なくなるのかもしれません。そうなると、無駄な勢いを省いた自堕落な生活を送ってしまうと思うのですが。

夢が実現できない国家というのは、経済だけのみではなくて、国家そのものの危機ということにもなりますから、企業は自身の首を絞めているのではないかと思うのです。

経済協力開発機構(OECD)は20日、日本経済を分析した年次報告書を公表した。所得格差について初めて詳細に言及。企業が雇用保護の手厚い正社員より非正社員を雇う動きを強めたことが格差の主因だとしたうえで、「非正社員雇用の流れを弱めるために正社員の雇用保護を緩めるなどルールの見直しが必要だ」と提言した。

OECD:日本の所得格差、初めて詳細に言及-海外:MSN毎日インタラクティブ


願照寺に鳥屋根の上に3羽の鳥が見えるでしょうか?

しかし、格差というのはなければないで、また、逆の「無駄な勢いを省いてしまう」人が出てきてしまうのも事実で、隣の半島の国なんてのは、所得どころか人生まで固定化されて、チュチュ思想したっけ?主体主義)というイデオロギーだけでは、もうニッチモサッチモいかないような状況になっているというのも、ひとつの見本のように思います。

夢が実現できないと危機になるのは企業も同じでしょう。その夢には従業員個人の夢もありますし、企業としての夢もありますが、働くと言うことは、その夢の実現(大小ありますが)にあると思います。ですから、中小企業や商店のオヤジが「そのうちこの会社も大きくなって…」と従業員の前で自らの夢を語るのは、本当にそう思っている場合と、実は求心力として使っているということもあるのでしょう。

企業の黎明期には、個人の夢よりも会社の夢を追いかけるというロマンもあるのですが、大きくなるにつれて、企業と従業員との係わり合いが希釈されて、そしてそのことが労働意欲とは別個のものになってしまいます。そうなるといよいよ「個人の夢の実現」だけがモチベーションとなるようです。

それでも働くということが、夢の実現への確約となるのですから、それはそれで十分なのですが、もしもその夢さへ奪われる事態になれば、果たして人は「何のために働いているのか」という労働に対して懐疑的になって、結局「働いても同じなら働かないほうがまし」という、「自ら無駄な勢いを省いてしまう」ような生き方を選ぶのでしょうね。このタイプのホームレスも何人かはいるでしょう。

トヨタの期間従業員は、社会保険もついていますし、給料も町工場よりは良いという人が多いですね。だから、これだけの人が集まるのでしょう。夢の実現のために来ている人も多いのも確かですね。

そういう意味では、格差の中間点にいるのかもしれません。トヨタも、そこは重々分かっていると思います。そう考えると、すべての期間従業員は、これからが正念場なのかもしれません。

#ま、それと何度も言うようだけれど、3年も働いたら希望者は無条件に準社員ぐらいにしてやらないと、またトヨタで働きたい人は二回目の日給9500円で再度入社しなければならないので、10%弱の賃金カットと同じです。夢も希望もないじゃないですか。来春には初めての3年延長者が出ますので、その時までには何かが変わるかもしれないですね。

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