ボクが住んでいるのは、歩いて５分のところに小さいジャスコやファミレスがあったり、薬局やホカ弁、セブンイレブンにファミマ、もう少し歩いたらディスカウントショップ、さらにその先にはしまむらなんてのがあって、生活するには便利なところなんです。
あまり便利すぎると行動範囲が狭くなりますね。毎日の生活圏が家から徒歩１０分ほどの距離を半径にした地域になってしまって、なんだか変化のない毎日になってしまっています。ま、そんな日々でもちょっとした良いことなんてのもあって、そのちょっとがとても幸せに感じたりするんです。

東から上った太陽が、東に沈む場合もあるってこと

スーパーのレジってのは、どうも機械的で、なんだか自動車工場のライン作業を想像してしまうのですよ。あの動きってのは、やはりトヨタ生産方式を取り入れていて「無駄なことは一切しませんから、そのつもりで」と、ある意味喧嘩腰に映るときがありますよね。セールストークというか、客との会話ってのもほとんどないし…。
無駄を省くということは、大変すばらしいことだと思います。忙しいときには、いかに数をこなすかというのが優秀な店員の証しでしょうし、仕事が早いということがほとんどの職場や職業で美徳とされているようですからね。それはトヨタにおいても同じことで、タクト内に出来ないと「なんで出来ないんだよ～」とその作業をしている本人も、そして教えるほうも嘆いたりしますからね。
仕事が遅くても良いということを探すほうが難しいかもしれないですね。「いや～、君の仕事はなんて遅いんだ、ありがとう」なんて言われると、これは嫌味以外のなんでもないでしょうし、「人が１０分ですることを、３０分かかる君はすばらしい」なんて言われると、もう「お前は首だ」と言われているようなものでしょうし。
製造業では作業速度ってのは、早ければ早いほど良いと思いますよ。それに正確さが加わっていればね。「早くて丁寧」の次が「遅くて丁寧」次が「早くて雑」そして「遅くて雑」という順序になると思うのですが、中には「早くて丁寧」そして次に「早くて雑」という順序にする人がいますよね。「（ラインが止まるから）なんでもいいから早くしろ」なんて言う上司もいたりしませんか？
それにEX級のひとでも、仕事が出来るということを「仕事が速く出来る」ことだと勘違いしている人が多いのではないでしょうか？ま、１分ライン停止したら数百万円のロスですから、これが他の製造業とは違うところなのかもしれませんね。
近所のジャスコに買い物に行ったのです。ボクは、ま、買い物が好きですし、あ、そうそう「スーパーミマス研究」なんてのをするほどのスーパー好きなんです。その近所のスーパーでのことなんですが、ボクが並んだレジのお姉さんはちょっと違っていて、ボクの番になったら商品を買い物袋に詰めてくれるのですよ。（普通は、ほら、違う買い物かごに入れて、そして買い物袋を入れて、「はい、いくらです」ってな感じですよね。）その動きが実にゆっくりというか、いえ、嫌味じゃなくて、なんというか、品のある速度なのですよ。指の動きなんかがね。（決して指フェチではないですよ）
そのレジのところだけなんだか時間がゆっくり流れているようでしたが、実際はそれほど他のレジとそれほど違っていないと感じました。「あ、いえ、そこまでしていただかなくても結構ですよ」なんて言いそうになりましたが、それは言わないで「あっ」なんて突拍子のない声になったのですが、「あ、いえ、良いんですよ」と、その「あっ」という言葉の意味をすかさず察知したところなんかも、「あっ、あっ」ってな具合にちと感動したのです。そうなると「あっ、あっ、あっ」なんてことになって…。サザンの歌に「オレを指先でイカせてくれ～」なんてのがありますが、なるほど、こういうことを言うのだろうと思ったわけなんですよ、いや、本当に。
そして、お金を渡して、そんで、あの手を握るようなお釣りの返し方をされて…。ボクはとうとう「ありがとうございました」って言ったのですよ。それは「参りました」って感じで。（だいたい、買い物をして支払うときは「ありがとうございました」って言うのですが）
最近は手を握るようなお釣りの渡し方をする店が多いですよね。「手を握るような」ではなくて、実際に手を握られているのですが、ま、丁寧なのは良いのですが、接客ってのが過剰に丁寧になりすぎてもなんだか嫌だし、かといってあまり失礼すぎると二度と行かないし、難しいもんですよね。
でも、客ってのは物じゃないんだから、ひとりひとりに合わせた接客ってのがあるのだろうと思います。ある人にはゆっくり、そして違う人には機械的に、ボクみたいなヤツには指の動きでアピールして、若い独身男性には少し悩ましげな眼差しを、そんで嫌いなヤツが来たら「レジ中止」を出して…。
もうこうなると、あの一畳ほどのスペースは舞台となるのでしょうが、それってのは前に書いた「ラインダンス」ならぬ「レジダンス」いえ「レジ舞踏」「レジ舞踊」なんてことなんだろうと思っています。
って、あ、また違う方向になっちまったよ。それもこんな深夜に。
てか、満了後２週間、半径徒歩１０分の生活をダラダラと過しているんです。さ、明日は職安に行くぞ。