いやな感じ

高見順の小説「いやな感じ」を読んだのは、もう20年も前のことで、その20年前のことはかなり詳しく記憶していて、今でもその頃出会った人たちや、その頃好きだと言ってもらった女の人の着ていたスカートの柄なんてのが夢に出てくるときがある。(果たしてボクがその人を好きだったのかということは別問題なのだが)

ガツンと骨に当った。俺の手に当ったそのガツンは、なんともはや、いやな感じだった。ドジを踏んで俺はあわてて、もう一度、軍刀を振りあげた。そのとき、奇怪な恍惚感を伴った戦慄が俺の肉体を貫いた。俺は射精をしていた。

中国人捕虜を処刑する場面でのこと、主人公は人を殺して、そしてイッテしまうのだけれど、スカートの柄と同じようにその場面だけはいつまでも忘れることなく覚えていて、そしてやっぱり何かの拍子に夢に出て来たりする。
三原の夜は寒いのだ
三原駅は0時30分から5時まで閉鎖されるので近くの公園で野宿。でも寒くて、ここは一時間ぐらいして撤退。結局屋根のある駐輪場にて仮眠。

ワニに食べられる夢をみたのだよ。
足を食べられたところで大声をあげて目が覚めた。その夢の恐怖というよりも、自分の声に驚いて起きたのだろうと思う。確か、前にもワニに食べられる夢をみたような…。これで何度目かのワニ、と思うと、あの時食べたワニの怨みなのかと、思ってしまう。それでも、食べられた瞬間に夢○なんてしていなくて良かったと思っていて、たぶんそうなると、ちょっと異常な夢、というか、異常なオレ、となって、こんなことは書いていないと思うんだけれど…、なんて考えていることは少し異状なのかもしれない。
また本を買ってしまったのだよ。
読まない本が増えてしまって、いつ読むのかと、とてもとても考えていて、きっと長期間入院するとかいう場合がないと読まないかもしれないと思っている。実家にもそういった読めなかった本があって、その中にはあの20年前に買った「井伏鱒二自選全集」の全巻なんてのがあって、あれだけはどうにかして取り戻したいと思っていたり…。
そんな読んでいない本がトイレにあったりして、ちょっとめくってみたんだけれど、こういった一節に行き当たる。

二年後、牧夫は電車のドアに足をはさまれ、引きずられて頭を打って死んだ。通夜の日、私は化粧でなんとかしようとしてもひび割れてゆがんだ彼の顔を長いこと見ていた。そしてトイレの中でその顔を思い出して・・・。甘い憎しみの記憶とともに絶頂間が訪れ、私は声を殺して泣いた。(「夜の足音」内田春菊)

気持ちが落ち込む金曜日ですね。
帰省している人たちは「行きたくない」と思う週末だろうし、寮で連休を過ごした人にとっても「もう終わりか」なんて、さみしい気分の週末なのだろうと思っています。家族に別れを告げて、そうして電車やバスに乗りこむ。子供の日が土曜日ですから、その日に帰るのは辛いかもしれないですね。
あまり悲しいようだったら、電車に、バスに乗り込まないで、そこに残ったらいいのに…。離れ離れに暮らすことで何か得るものがあるのですか?あるのは収入だけですか?その替わりに何かを失ってはいませんか?もしも、もしも、失うもののほうが大きいのであれば、ボクは思うのですが、乗らないほうが良いのではないかと…。
ブルーフライデーですね。最後の夜になる人も多いでしょうね。1日早い菖蒲湯なんて家庭もあるかもしれませんね。
バスですか?
ボクが各駅停車やバスを選ぶのはね、新幹線や飛行機だと、そこには圧倒的な幸せがあって、少し辛すぎて、そしてワインをラッパ飲みしている自分にかなりいやな感じになるからなんです。期間工や出稼ぎの人たちの帰省とは少し違った、違った帰省がありますもんね。前に書いたけれど、日常がそのまま移動するような、そんな普通列車の旅のほうが、ボクにはむいていると思っているんです。
雨が全てを流してくれればいいのだけれど…。

4件のコメント

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    こんばんは。
    えっと、記事に引用しました。
    >muko47さんへ
    切り離して考えたほうが、考えやすいのかもしれないですね。やっぱりボクも、なんだかそっちにいるときは別人みたいだし。
    中国のことは、テレビで見ました。例のモーターショーのこともやってましたね。今回は日テレ系が、かなりの時間をさいて流していたのですが、他のテレビ局の反応は、また違ったものがありますから…。
    えっと、自宅謹慎しなくても…。またコメントしてください。
    >YOUCHINさんへ
    きっと今の生活は嘘なのかもしれないですね。満了後の生活こそが真実なのかもしれないし、鈴鹿での生活の前が真実だったのかもしれないし。
    どこかで切りかえるというよりも、その仮想現実をイメージするほうがいいかもしれないですね。カッコイイ自分をイメージしてると、けっこう「いいじゃん」なんて思わないですかねえ。
    ボクも明日朝出発なので、そろそろ寝ます。

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    私も明日、妻子を九州に残して鈴鹿に戻ります。
    私はトヨタではなくホンダですが、muko47さん同様に寮生活と帰省中での家族との生活がどちらも現実味がなく感じてます。頭で二つが上手く処理できてない感じです。
    私の場合、たぶん今の私の状況を私の脳みそが無理矢理「仮想現実化」しているのかもしれません。でないと家族と離れて暮らすという「悲しさ」や「寂しさ」に心がつぶされてしまうから・・・・。

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    ↑上の(3/24)は(4/24)の間違いでした。

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    muko47です。
    昨日の朝、夜行バスで千葉から寮に戻って来ました。
    今回の帰省はトヨタに来てから3回目になりますが、1年の延長を直ぐに控えての今回の帰省は色々な意味で前の2回とは違っていました。
    1年間のトヨタ寮での独り暮らしに感覚が麻痺してしまったのか、楽しかった帰省だったにも関わらず、再び実家の妻や家族と離れる時が来ても、全然悲しくも寂しくもないんです。
    また、トヨタでの暮らしと帰省中、家族と一緒に過ごした時間とが、どちらも夢を見ている様な感じで、私の頭の中で どうしても繋がらない。どうしたんだろう。
    話が変わりますが。昨日の朝、寮の部屋に着くなりTVのスイッチを入れたら中国の遊園地の映像が流れていました。最初、「ディズニーが中国にも出来たんだな~」くらいに観ていたらミッキーだけでなくSANRIOのキティまでいるんです。そこで働く職員の一人が「ディズニーを真似て造った」と漏らしていたらしいんですが、当然 公式には認めてはいないとのこと。更にはその遊園地、国営だと云うんです。
    これ程、酷いものだとは!先日(3/24)管理人さんが『中国のモラル』について触れていたのは これと同様のことだったのかと、その時のモーターショーの内容を良く理解もせず反論めいたコメントを書いてしまったこと、後悔しています。
    恥ずかしいやら、申し訳ないやら。暫く、自宅謹慎します。

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