東海交通に若い求職者の募集が多いたったひとつの理由

4社、と言っても東京の大手4社(大和自動車交通、日本交通、帝都自動車交通、国際自動車)ではなくて、豊橋市内に事業所のある東海交通、豊鉄タクシー、ヨシダ交通、キングタクシーなのだけれど、この4社全てハローワークに求人を出している。ハローワークだけではなくて、各社のサイトにも求人情報を出している。そしてタクシーの後部にも「運転手募集中」というステッカーを貼っている。とにもかくにも大々的に大募集している。
慢性的な人手不足、なのだろうか。それとも雇っても雇っても辞めてしまう、離職率が高いのだろうか。不足分を補充するという募集の仕方、例えば普通の企業だとせいぜい1人とか2人を募集しているのだけれど、タクシー会社は5人とか10人とか、とにかく大人買いのような応募のしかたをしている。
タクシーの台数は過剰気味だという報道があるのだけれど(東三河は適正みたいなのだけれど)、その割には募集しているのがタクシー業界で、台数を抑えながら人員を増やすということは、稼働率を100%にして効率の良い経営をしたいのだろうか、なんて考えている。
同じように募集していても、なぜだか入社する人たちは会社によって微妙に違うように感じる。大きな違いはというと、とにかく東海交通に若い人の入社が多いということ。若い人だけではなくて女性のドライバーも多い。単純に募集人員が多いからということではなくて、例えば10人当たりの20歳代の割合なんてのを算出したとしてもきっと東海交通が突出しているはずだ。
なぜならば(そう難しい問題でも、「たったひとつの理由」なんて大げさに書くこともないのだけれど)、「養成乗務員」というのを別枠で募集しているからだろうと思う。そしてその養成期間中の賃金等の労働条件を細かく提示しているからだろう。
例えば豊鉄タクシーも養成員制度があるのだけれど、それはタクシー運転士募集の求人票の仕事内容の欄に「普通二種養成制度あり(60歳まで)」というおまけ程度の募集のしかたをしているだけで、応募する求職者側から言わせると「あり」なだけで、それは「ま、仕方ないなあ」とか「あくまでも二種免許保有者を募集しているのだけれど、やりたいのなら応募可なのかなあ」という感じがする。失業者は精神的に弱っているので、それぐらいのことでもとにかく神経質になる。
ところが東海交通は「養成乗務員」という職種を募集しているのだ。だから求人票の職種欄にも「養成乗務員」と記載されている。普通その欄には「機械加工」とか「自動車販売」とか「店員」なんて職種が記入される。「養成乗務員」という「自動車学校に行って二種免許を取得すること」を職種として、それについて細かく賃金なんて条件を出しているのだから、少し不思議な感じもするのだけれど、とにかく自動車学校に行って免許を取ることに対して賃金を支払うのだから、それは仕事なのだろう。
他の3社は少し不思議な感じ、違和感があるものだから「養成乗務員」なんて職種で募集しないのだろうと思う。二種免許を持っていない若い人や女性は、「二種養成制度あり」と書かれてもそれがなんのことかサッパリ分からないので、そういった募集方法に安心する。
上述のように失業者は精神的に疲れている。神経質になっているのでそんな安心感が選択の理由になることが多い。賃金や条件なんて微妙な違いなんてのは重大な問題ではない。「え、2種免許を取得する間、1日6000円もくれるの」ということに安心する。それはタクシー業界にとっては常識的なことかもしれな。でも一般の人たちにとっては分からないことなのだ。それを明確にして募集する。そしてそこに若い人や女性が応募する。
それをやっている東海交通に若い人と女性の応募が多い。話は簡単なことなのだ。「若い人の応募がない」と嘆いているタクシー会社の人事担当者は応募の仕方をきめ細かくすることで、きっと、その悩みから開放されると思うのだけれど…。
タクシー会社4社の求人公開カード
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