消費税増税

「民主党惨敗」の原因を菅首相の消費税増税発言と関連付ける論調が多かった今朝の新聞やテレビだったのだけれど、ボクは消費税増税に政権政党の党首が言及したという点を評価して民主党に投票した。
消費税増税がそんなに悪いことですか?
もうすでに破綻しているこの国家財政をどうするかということは全国民の喫緊の課題であるはずだ。まさかこのまま国債を発行し続けてツケを子供たちや孫たちの代に回せば良いなんてことを考えているわけではないと思う。どうすれば公平に税金を負担しあうかとなると、所得税や法人税よりも消費税に手を付けることが妥当なのだろうと思う。所得税にはかなり不公平な点がある。消費税増税、それも10%なんてこ率ではなくて20%ほどにして、所得税も健康保険税も雇用保険料も一元化すると効率もよくなるだろうし事業仕分けも出来るということだ。
「若肉老食」なんて不満が若者の間で言われ始めてもいる。JALの再建問題で企業年金のあり方が問われたのだけれど、多くの人は年金カットということにそれほど違和感がなかっただろうし、もっともの話だと思ったに違いない。そしてその通りになった。それと同じことをボクたちは日本という企業の再建で問われている。
「なぜ現役世代だけが負担しなければならないのか」というJAL社員の不満はそのままこの国の労働者や若者たちの不満でもあるのだ。
消費税増税で公平に税を負担しあう。勝谷誠彦さんがテレビ番組で言っていたけれど「ブランド品なんてのは500%ほどかければいい」とボクも思う。奢侈品購買層というのは富裕層なのだろうし、税金が少しばかり高くなったところで「高いから買わない」なんてケチなことは言わないだろうし。
逆にボクのような貧乏人は消費しなければ良いだけの話なのだから、消費税を20%に上げて所得税を0にしてもらったほうがありがたい。年収300万円~400万円以下の人には還付するということも検討されているようなので、それこそ願ったり叶ったりなことなのだ。年金生活者もそれで守られる。
ところが世論を作り出している層というのは、年収300万円なんていうワーキングプア層ではないから「消費税増税反対」の声が大きくなる。「増税なんてけしからん」となるのだ。消費が冷え込むなんて経済と関連付けてその反対理由を言っているのだけれど心の中では「ブランド品に500%なんてけしからん」とか「高級ワインに500%なんてもってのほかだ」ということなのだ。
その富裕層が形勢した「消費税増税なんて言う菅直人はけしからん」というアナウンスを、ほとんどの人が鵜呑みにしてしまって「なんだか分からないけれど民主党はけしからん」ということにしたのが今回の選挙だったように思う。政治的問題に100%正解なんてことはない。それでも多くの人は100%、完璧なポリティカルコレクトを望む。消費税をぽろっと言ってしまったから民主党が惨敗したとしたならば、なんとケツの穴の小さい、狭量な国民なのかと思ってしまう。
消費税増税がそんなに悪いことですか?
という問題にキチンと向き合わないで思考停止になっているのではないかと思っている。だって、今、キチンと負担しなければ、子供や孫がどれほど苦しむことか。辛苦に喘ぐ自分の子供のことを考えると、子供なんて作れないというのが若者たちの本音だろうと思う。不幸になると分かっていながら子供を産むこと、それはある意味DV、虐待なのかもしれないと思ったりもする。
この国の将来を明るいものにするために、今こそ苦しむ時だと思うのだけれど。ま、増税だけがその施策でもないのだけれど、それが悪だと断言することはできないはずだし。
とにかく、ま、消費税増税を俎上に載せたことに対してボクは一票を菅さんに託したということだ。子供たちの将来のために増税することは悪いことではないはずだから。そしてボクたちの老後のためにも悪いことではないと思ったからなのだけれど…。
消費税増税、それが国の将来のために良いことならば、良いことなのだ。それだけの問題なのだ。きっと。

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