鬼祭りとたんきり飴

「赤鬼、めっちゃ話してる、世界観ぶち壊しじゃん」

隣の女子高生の言葉に笑ってしまったのだけれど、その豊橋東高校の女の子の「世界観」とはいったいどういうものなんだろうか、なんて考えてしまった。彼女たちの宗教的あるいは歴史的なんて世界観において、赤鬼は無口でそして文字通り「(こわい)鬼」に違いない。いや普通はそうなのだ。鬼がコソコソヒソヒソ人間と語らい、そして「鼻の穢れ(鼻くそ)」や「股の穢れ(うんこ?)」なんてのを投げつけるなんてことは、これまでの彼女たちには思いつきもしなかったのだ。

そういうことが妙にリアルにそしてみょうにユーモラスに目の前で行われている。鬼祭り、確かに奇祭だ。

国指定重要無形民俗文化財【豊橋鬼祭】 – 【神社公式】豊橋鬼祭 安久美神戸神明社

ボクはと言えば、実はたんきり飴を拾うのが目的で、朝10時から見に行った。そうそう「拾う」ということなんだけれど、「飴撒き」なんてのがあって、それもこのお祭りの名物なんだ。飴を撒く、なんて伝統文化がほかにあるのだろうか。餅ならいたるところにあるけれど…。それに飴もだけれど、飴といっしょに撒かれる白い粉をかぶると厄除けになるなんて言われている。

綺麗な袋に入れられているのだけれど、昔はそのまま直に飴を撒いていて、地面に落ちた飴を拾って歩いていたんだろうね。そう言えば餅まきの餅なんてのも、最近のは個包装になっていて、ずいぶんと衛生的になった。生で食べるわけではないので、そのままでも良いと思ったりするのだけれど…。

ああ、そうそう飴、結局3個しか拾うことができなかった。こういう性格なもんだから、「オラオラ、オレんだぞ」なんて子供や女子高生を相手に競ってもしかたないので、目の前に来たのをダイレクトキャッチするぐらいしかできなかった。いつもそうなんだけれど…。大人だしね。

それでも、まあ、ボクひとりが食べる、いや、ボクひとりの厄を祓うには十分の数なのだ。飴の味はというと、素朴な味なのだ。ボクたちはもういろいろな味に慣らされてしまって、それに甘味料なんてものが溢れているものだから「素朴」なんて形容をしてしまうのだけれど、きっと昔の人たちにとっては美味なる貴重な糖分だったんだろうね。

貴重な砂糖なんてのは今よりもずっと少ない割合だっただろうから今よりももっと「素朴」だったのだろうし。

豊かになるってことは、そういう素朴さとか純朴さなんてものを捨てるってことなんだろうね。ボクが幼いころは、神楽に出てくる鬼の存在や、月のうさぎの存在なんてのを信じていたし、まあ、神罰なんてのがもう少し生活の中に浸透していた。今は、隅から隅まで知り尽くすような状況になっていて、まあ「めっちゃ話しているし」なんてことを不思議に思わなくなっているんだろうしね。

確かに鬼が人と話しているというのは不自然なことだねえ、う~ん、そりゃそうだなあ、なんてオジサンもめっちゃ思っているんだよ。「世界観」かあ…。

豊橋鬼祭り
たんきり飴の「切」(?)じゃなくて、町名かな。

豊橋鬼祭りとたんきり飴
三種のたんきり飴。左から神社で販売しているもの(200円)、飴撒きで撒かれるもの(無料)、小鬼担当の札木町が撒くもの(これまた無料)

5件のコメント

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    今は関東にいるんですが、愛知の方面も含めて考えてみます。情報をありがとうございました。

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    そうですか。
    ボクが最初来た時、研修時で相部屋だった人も上郷でした。
    そうですね。派遣よりは直接雇用のほうが良いですね。こっちだとアイシンとか武蔵精密、パナソニックなんてのが募集してますよ。
    バッテリー系や部品系はまだまだ募集しているようです。

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    上郷工場でエンジンのラインでした。今は、貯めた金で休んでて、ちかくにまた、なるべく、派遣以外で期間工で働こうと思います。コメントに対して、返答しなくて大丈夫です。申し訳なくて。難しい言葉が出てくると調べたりして、勉強になります。

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    2008年だとボクと重なっていますね。
    どこだったんだろう?今は就職したのですか?

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    2008年から一年間、トヨタで期間工しました。それから、期間工に関するものを見てて、このblogを見て、悲しかったり、懐かしかったり、哀愁みたいな感情があったり、泣いたりしました。頭がよくないので、難しかったりしたんですけど、このblogを楽しみにしてる自分がいます。ありがとう。

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