期間従業員の募集は終了しました

昨年の6月ぐらいから再開されていたトヨタ自動車の期間従業員の大量募集が終わったようだ。多少の補充は派遣会社が行っているようで、地元の求人広告にそれらしき募集を見かける。系列のアイシンAWでは今も不足しているようで募集が続いているし、武蔵精密やパナソニック系の企業、ホンダなども行っている。
人手不足なのだけれど、けっして正社員としての雇用を推進するということではなくて、あくまでも「社員登用制度あり」なんて、詐欺まがいのキャッチフレーズで巧みに誘き寄せている。リーマンショックであれほど問題視されながら、相変わらず企業はこの国の若者を使い捨ての道具ぐらいしか考えてない。
繋ぎでの仕事が短期間でもあればそれはそれで「ありがたいこと」なのかもしれないし、もうすっかし正社員での就職を諦めている、あるいは正規で雇用されたくないという人たちにとっては、非正規社員という雇用のありかたはこれまた「ありがたい」ことなのだろう。
そういった需要があるのだから非正規社員はなくならない。誰がなんと言ってもなくならない。それにもうすでに非正規という(雇用体系の)集団がこの国には存在して、そしてそれを国家と国民が必要としている。ちょうど昔の穢多・非人のように身分制度のように。
一度その職業に就いてしまうと、なかなか抜け出すことができずに、そして固定化される。最悪なことに中世や江戸時代のそれらの身分の人たちとは違い巧妙にそのことに気づかされないでいる。実際にあったとしても(差別が)法的に禁止されているのだから、どう考えてもそれはないはずなのだ。ないのだから警察も国家も取り締まれない。(「売春」を考えればいい、それと同じだ。)
正義の味方であるマスコミ様も、あれほど「非正規に異議あり」なんて叫んでいたのに、今回は「経済のためにやむなし」なんてことなのか無口である。それはそうで、景気がそのまま新聞の売上に、テレビのスポンサー数に繋がっているのだから、誰も自分たちが不幸になるために汗を流したりしない。そのこともリーマンショック後の教訓としてマスコミ様には残ったのだろう。弱者を助けるとためにならない、という教訓だ。
正義なんてのは結局「経済神」の前には無力なのだ。北朝鮮のように「神」が唯一でそれも人間ならば、今がどうあれ明るい未来は想像できる。その「神」を消せばいいのだから。ただこの国のように「神」が複数、複雑化してしまっては、もう人々が救済される道は閉ざされてしまっている。
年金制度がどうなろうと、ベーシックインカム制度が導入されようと、経済神の前では無力だ。固定化されてしまっている非正規という身分制度をなくすことは不可能だ。いや、これからも非正規民というのは増え続けるだろう。それを国家も必要としているのだから。
集団は常に差別や身分制度を必要とする。当たり前のことだ。その当たり前のことに対して「異議あり」なんて考えていたボクたちのほうがバカだったのだろう。結局、国家太平、明るい未来のためには「もっと差別を」ということなんだろう。
非正規万歳。
トヨタ期間従業員募集終了
これがあの有名な非人、いや非正規募集の広告です。
(非正規募集とは言っても、正規のトヨタ自動車の募集ですので安心です。バックにマスコミも付いてます。)
「目標に向かって励む」バカバカしい限りだ。なんの目標に向かうというのだ?多くは「しかたなく」なのだ。

2件のコメント

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    トヨタ社員への登用者ってのは、なにか違う才能なんてものが必要なのかもしれませんね。
    人一倍の忠誠心なんてものとか、単純作業を淡々と出来る忍耐なんてものとか、鈍感さとか…。
    ラッキーというのは、トヨタの社員になれなかったことを言うのでしょうね。普通、夢や希望がある若者は、ライン作業なんて仕事に就きたいなんて思わないだろうし…。

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    期間従業員を満了してから、2年以上経ちました。
    3年前にはトヨタの社員になろうと頑張っていましたけど、
    見事に打ち砕かれました。
    あの頃はトヨタの社員を夢見て現実逃避していたように思います。
    今現在は故郷で正社員の職に就いていて、
    年収も後1年働けば、トヨタの一般職を上回ります。
    ラッキーだったとしか思えませんが、本当に人生何が起こるかわかりません。

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