太郎でハイボール

あの脂肪の多い霜降りとかいう肉がみんな大好きなようだけれど、そして「トロケル」なんてコトバを使ってその柔らかさを表現しているのだけれど、ボクはというと、赤身のちょっと硬い、噛めば噛むほど味が出てくるような肉が好きなのだ。あのアフリカの干し肉を煮込んだスープなんてのは「トロケル」とは正反対の食感なんだけれど、DNAに呼びかけるような味がしたし、その感覚がいまだにこうして身体に残っている。肉に限らず魚も、最近ではその「トロケル」感が良いらしい。ふ~ん。
「太郎に行く?」
あいかわらずボクたちの焼肉と言えば、すたみな太郎に行くことになる。肉というよりも、いろいろな食べ物、例えばいきなりたこ焼きとか杏仁豆腐とか、とうもろこしに寿司とかぜんざいとか。ツマミに「はらみ」と「豚バラ」を一皿。そしてボクはビールを飲む。結局、それほど食べないで飲み代のほうが高くなるので、お店としては上客かもしれないと、密かに思ったりしている。
いや食べる時は食べる。いちどなどは食べ過ぎて気分が悪くなってしまって、帰りにトイレに駆け込んだなんてこともあったし、次の日まで胃がもたれてスタミナを消失したこともあったんだけれど、やっぱり焼肉と言えば「太郎に行く?」ということになる。
あの屋台テイストが好きなんだ。ランチタイムだと1180円(豊川店平日)で100種類ものメニューが食べ放題なのだから、もうお祭り騒ぎ(騒がないけれど)、くいだおれ太郎もびっくりで逃げ出すに決まっている「太郎度」なのだ。
今月からランチもディナーも無制限一本勝負になっている。これまたブームのいろいろな店のランチバイキングへの対抗策なのだろう、時間を気にせずにお腹いっぱいなんて太っ腹の太郎ぶりを発揮している。
ボクはハイボールで酔っ払ってしまって、とうとうデザートは水饅頭ひとつしか食べることができなかったし、昼間から眠くなってしまっていた。「んじゃ次行こうか」なんて言っても、時間はまだ14時なんてところだから、どこも開店していない。「んじゃ、このまま太郎で」なんてこともなんだかこっちが燻製になりそうだったので、「お勘定」(なんて言わないけれど、それに前払いなんだけれど)と言って店をあとにした。
今考えると、もう少しいればよかったし、「ああ、カレー食べなかった」なんて後悔していたりする。そして昼間っから太郎で与太郎になっているオジサンなんてのも、1180円程度かなあ、なんてこれまた後悔しているんだけれど、その感じ、なんて言うんだろうか、人の欲深さ、業みたいなものを感じる。それを感じることができるのも太郎ならではではいのかと考えている。
そう言えばジョイフルで8時間飲み続けたこともあったなあ。なんだか、それでいいのか、と、もうたっぷりと中年太郎になったボクについて自省したりするんだけれど、ああ、やっぱり太郎が好きなんだよねえ。なんて、そこだけ聞くとゲイみたいな、そんなことを思いながら、親指の痛みをこらえながら、こうしてまたまた昼間から酔っ払っているのだ。悪いかよ。
すたみな太郎 イワシ寿司
鰯寿司も食べ放題だよ。

1件のコメント

  • blank

    人生を謳歌されてるようでなによりです

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA