night pottering in Toyohashi

週末20時、夜の隙間。
家庭では夕餉が終わりその片づけも終わる頃。居酒屋では二杯目の酒に一週間の疲れがまわる頃。全てが駆け引きを停止する頃。鳥たちもねぐらを定める頃。この部屋がため息で満たされる頃。
窓を開けると月、十六夜。ボクは旅に出た。
十六夜の旅
豊橋駅から東、新川を左へ、そのまま市電を北へ西八町歩道橋を登り(1)、東海道に出て吉田橋をを渡ると、そのまま左に折れて、豊川堤防沿いを真っ直ぐに、豊橋北は地下道をくぐり、出たところは下地二丁目界隈、そのまま堤防を西へと向かい、着いたところが下地駅(2)。そのまま堤防を真っ直ぐに(4)、上渡津橋、渡津橋を横切り清須町(3)、そこでクルリとUターンをし渡津橋を渡り吉田方中学、市民病院を通って牟呂市場から潮崎へ、ロワジールホテルを正面から右へ(6)、中野町を通って高師駅へ。セブンイレブンでスポーツドリンクとあんぱんで補給、そのまま高師公園へ(5)、アベック横目に緑地公園内をぐるりと一周、弥生町、南小池を通って前田南へ(7)、中消防署を右手に見ながら、豊橋駅へ着いた時には、ずいぶんとくたびれた。
落語「黄金餅」風に書いてみた。3時間ほど、もうすっかり秋の風で半袖のシャツでは寒かった。こうしてぐるりと回ってみると、月があるなあ、なんて感じた。あたりまえのことなんだけれど(それに少しおかしな表現なんだけれど)やっぱり「あるなあ」なんて思ったんだ。たぶん、やってみると分かると思うんだけれど、昼間とは全く違う世界だったりする。たとえそれがとっても見慣れた風景だったとしても、そう感じると思う。
部屋に戻るとボクは、もう一度窓を開けて月を見た。月はやっぱりそこにあった。
十六夜の旅 解説
「黄金餅」
下谷の山崎町を出まして、あれから上野の山下に出て、
三枚橋から上野広小路に出まして、御成街道から五軒町へ出ます。
そのころ、堀様と鳥居様というお屋敷の前をまっすぐに、
筋違御門から大通りへ出まして、神田の須田町へ出まして、
石町から鍛冶町へ出まして、
今川橋から本白銀町へ出まして、
石町から室町へ出まして、日本橋を渡りまして、
通り四丁目から中橋に出まして、
南伝馬町から京橋を渡ってまっすぐに新橋を右に切れまして、
土橋から久保町へ出る。新し橋の通りをまっすぐに、
愛宕下へ出まして、天徳寺を抜けまして、神谷町から飯倉六丁目へ出まして、
坂を上がって飯倉片町、そのころ、おかめ団子という団子屋の前をまっすぐに、
麻布の永坂を降りまして、十番へ出まして、大黒坂をあがって一本松から、
麻布絶口釜無村(あざぶぜっこうかまなしむら)の木蓮寺へ来たときには
ずいぶんみんなくたびれた。
落語「黄金餅」の世界を歩く、古地図散歩 [散歩] All About

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