タクシー運転手さんへ
タクシーへのクレームやトラブルの原因の多くは、接客に対してではないかと思う。料金の問題と思われがちなのだけれど、メーターがひとつ上がった、なんてことでトラブルやクレームに発展することは少ない。例えばそういうこと(料金や道順)を理由にトラブルやクレームになったとしても、それは直接の原因ではなくて、運転手の接客の悪さが要因になっていることが多いと思う。
接客によって運転手のミスは相殺される。というか、多くのお客様は安心とか確実さなんてことをタクシーに求めている。コスト的な問題は二の次だと感じられる。タクシーに乗ることが好きなお客様もいて、そういった嗜好行動(なんて言葉があるかは不明だけれど)を取る人もいる。そんなお客様は運転手との会話が楽しみとかタクシーに乗るというハレの感じなんてものを求めているのだろう。癒される、なんて人もいるかもしれない。
ただ単なる移動手段というだけではなくて、密室という空間がもたらすもの、なんてことをボクたちは考えなければならないし、それがタクシー運転手に求められることなのだろうと思う。
働く人へのメッセージ
豊橋市の行った「働く人へのメッセージ」の入賞作品が発表された。
優秀賞の「バスやタクシーの運転手さんへ」を読んで、少し泣けてきた。ボクたちが忘れかけていること、ボクたちに求められていること、タクシーの本質みたいなものを考えさせられた。
「残業の帰り、バスやタクシーの運転手さんが
優しいと、気持ちがほっとします。
夜遅いのに、いつもの笑顔をありがとう。」
「優しいと」というところに、少しだけ悲しくもかった。きっと「優しくない」運転手のタクシーに乗ることもあるのだろう。そしてその時は気持ちが落ち込みその日一日が台無しになることだってあるのだろう。そう思うとボクたちがどれほど人々の生活に関わりあいをもっているかということを、また考えさせられた。
「いつもの笑顔」。そうそういつもの笑顔で、だってそれがプロの運転手なんだから。ボクたちが辛い時だって、ボクたちが悲しい時だって、ボクたちは「いつもの笑顔」でお迎えしなければならないのだ。それが仕事なのだから。
タクシー運転手の優しさ
入賞12作品の中にバスやタクシーに関連したものが2つもあった。それは、ボクたちが「働く人」として、要するにプロとして見られていること、そしてその目は厳しいものだということをも意味すると思う。それに社会と密に繋がっているんだと思う。
だからどんな時だって「いつもの笑顔」でカスタマーファーストなのだ。タクシー運転手に求められことは、その意識だと思う。道を知っているだけなら犬でもできる。サービス業ということ、そのことを忘れてはいけない。それがボクたちに求められていることなのだ。
いつもの笑顔と、哀愁の背中で、お待ちしております。なんて:)