小保方さんとタクシー

STAP細胞事件のことはよく分からないので書くつもりはない。ただ、数日前にNHKで放映された「NHKスペシャル 調査報告 STAP細胞 不正の深層」を見ていて少し考えたこと、とうか、「ああ、やっぱりね」と業界人しか突っ込めないだろう1点について書くと、小保方さんはいつも個人タクシーを使っている。

それがどうした、というレベルの話なのかもしれないけれど、行動を知られたくない人はタクシー会社よりも個人タクシーを使う傾向にある。だって最近ではどんなに零細のタクシー会社でもGPSなんてものを全車装着していて、どこで乗車しどの経路を取りどこで降車したかすぐに分かってしまう。その情報をどれほど厳重に管理したとしても、例えばベネッセの顧客リストが漏えいしたように、洩れるというリスクは付きまとう。

個人タクシーが絶対に安全かというとそうも言えないと思うが、ひとりの人間の口だけを管理すればいいだけのことなので、安全性は高い。いざとなればそのひとつを消せば証拠がなくなるのでこれまた安全性はかなり担保されている。

企業タクシーだと例えば配車センターの複数の人間が知ることになるし、複数のドライバーが関わることになるので、秘密は洩れやすいと思う。彼ら/彼女らに守秘義務があるとしても、ついつい「今日ね、例の小保方さん乗せちゃったよ」なんて漏らすことだってありえる。その情報が食卓にのぼることだってあり、次の朝には井戸端会議の議題になっていることだってあるだろう。

逆に、個人タクシーばかりを使っている人は秘密がある、そうも言える。

しかし考えればSTAP細胞なんて特異な分野の研究者なので、その研究についての守秘義務を小保方さん自身が負っていて秘密があるのは当然か。世界的な発明ということは、どこで狙われているか分からないのだから、自分の身を守るために行動は知られないほうが良いに決まっているしね。

行動パターは変えたほうが良い、というのは身を守るためのセオリーで、國松元警察庁長官狙撃事件のように同一時刻同一ルートなんて通勤方法を取っていると簡単に狙われるということだ。王将の社長もそうだけれど。まあ、ボクなんてのは狙われたりしないので、毎日同じ行動なんだけれど…。

というか、毎日同じ行動をとっていたら、かわいいお姉さんに付け狙われて「あの~、前から好きだったんです」なんて告白されたりするかも…なんて甘い夢を見ていたりする。はあ~、これもきっとSUGAR細胞のなせる業…なんて自分の甘さにふと気がついて愕然としている…。

というか動物は行動パターンを儀式化するものなのだけれど。その儀式の線上で踊り歌っているだけのことなのだ。文明とともに、科学の発展とともに、人は踊りを忘れ歌を忘れ、それでも長命になっていて、さらに欲望という細胞は求め続ける。

幸福を求めすぎると、やっぱり不幸になるのかなあ、なんて小保方さんの髪に揺れるリボンを見ながら思っている。そんなことを考えながら、やっぱりお腹は空いていて 「ひもじさと寒さと恋と比ぶれば恥ずかしながらひもじさが先」なんて落語のまくらを思い出しては、空腹細胞が鳴いている朝なのだ。

NHKスペシャル 調査報告 STAP細胞 不正の深層
NHKスペシャル 調査報告 STAP細胞 不正の深層

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