屋島ピラミッド、山頂の水族館の不思議(42日目の1)

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4時10分、いつもより早く目がさめた。結願を次の日に控えていて、少し興奮もしていたのだろうと思う。あれほど痛んだ膝の痛みもいつのまにかなくなっていた。それでもサポーターは着けていたのだけれど、それはお守りのようになっていた。

コーヒーを飲んで、それから風呂に入った。結願する身支度、身体を清めるという気持ちもあった。それからパッキングして6時00分出発した。一度春日橋まで戻ってから、まだ明けやらぬへんろ道を歩いた。新春日橋で国道11号線を右折した。屋島はそこにあって、あの宇宙的な山容が朝焼けに浮かんでいた。まるで人工物のように思えた。ピラミッド。そしてそこにあっても何ら不思議もないように感じていた。

高松琴平電鉄志度線かたもと駅のところを左折し屋島の登山道に向かった。池に沿ってある公園、そこを通り遍照院あたりから急な坂になる。地元の人たちの散歩コースなのだろう、日曜日の朝早くから歩いている人たちがいた。

その急な坂を登り、八十四番札所屋島寺には7時10分に着いた。不思議なことにこの山の上に水族館がある。観光地として集中させるということでは、便利なのかと考えた。

納経が終わり納経所を出たら、雨が降り始めた。それもかなり激しく。夕立ならぬ朝立ちだ。狸の嫁入り。納経所の隣にある休憩所で雨が止むのを少し待っていた。ボクより先に来ていた遍路は合羽を着て行ったようだった。10数分待って、少し小ぶりになったところで出発した。7時50分。屋島寺からホテル甚五郎の前を通り屋島ドライブウェイを渡り県道150号線に出るルート、へんろ地図にある「甲ルート」だ。

屋島ホテル甚五郎前から雨雲の流れる高松市内
(屋島ホテル甚五郎前から雨雲の流れる高松市内)

雨上がりということもあり、そして急な下りで、かなり怖い道だった。雨は強く降ったり止んだりを繰り返しながら、川を渡る頃にはすっかり雨雲は遠ざかっていた。

須崎寺を通り、有名なうどん屋「山田屋」の前に出た。ここのうどんを食べようと思っていたのだけれど、9時前、開店まで時間があった。あきらめて坂道を八栗寺へ向かった。

9時00分、八栗ケーブルやくりとざんぐち駅到着。トイレを借りて、そして近くにある「そば処六六庵」に寄った。そばなのだけれど、うどんを注文した。そしておでんも食べた。出るときに「安宅屋羊羹」というのを2本いただいた。

ケーブルの横から八栗寺への参道はあった。急登。だからケーブルがあるのだろうけれど。9時25分出発。

その急登を歩いて、9時45分、八十五番札所八栗寺到着。紅葉が綺麗だった。少し遅い、というか、このあたりが暖かいからだろうと思った。そしてその紅葉目当ての観光客や参詣の人、遍路で寺は賑わっていた。厳しいところにある寺のほうが人が多いように感じた。それだけ「霊験」というものを感じるのかもしれないと思った。

10時15分八栗寺出発。県道145号線を讃岐牟礼へ下って行った。「あと3」と、世界のナベアツの真似をした。とにかく「3」だった。

雨雲をバックに冬枯れた木

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