運転手不足、人材不足、若者不足

タクシー業界は運転手不足、全ての企業で人材不足、そしてこの国は若者不足です。

Tranouva第619号の「ハイタクの人材をどこに求めるのか」を読みました。林さんの的確かつ冷静な「持論・傍論」にいつも納得させられ、感動もします。

ハイタク業界は11項目、追加9項目でも「労働力確保」に取組んできました。そしてそれは確かに「永遠不変のテーマ」でもあります。

共有地の悲劇

運転手不足による共有地の悲劇なのかもしれません。

公共交通空白地の発生

自家用車がないと生活できない環境の中、地方ではバス路線の減便や廃止が行われ、移動手段を確保できない人が増えています。

都市の周辺部でも同じようなことが起きています。東三河地域のような都市周辺部は、さらに悪いことに、中心部に行けば電車もバスもタクシーも全て揃っていて、同じ自治体に暮らしながら移動格差が生じています。

そういった地域は、以前は電車もバスもあったのですが、不自由な生活が突然訪れることになります。

環境の変化に行政が追いつかない、そんな感じもします。

悲劇の犯人

例えば新城市、豊鉄タクシーの8台だけ、それも22時までの営業です。新城市内でその状況です。

作手、鳳来、山吉田、それらの地域住民の移動は困難になっています。

もしもタクシーがなかったら・・・。タクシーの存在が共有地の移動を不自由なものにしているのではないのでしょうか。

要するに、移動サービスが多様化する中、タクシーという旧態依然としたシステムが、それらの発展を阻害している。悲劇の犯人はタクシーだ。というのがボクの持論・暴論です。

人材はどこにいる

「ハイタクの人材をどこに求めるのか」では

その人材を外国人に求めるなら特定技能枠をこじ開ける覚悟が必要ではないのか。それは業界が一致して決断することではないか

と結んでいます。

技能研修生として一緒に働く、ひとたび出庫すれば上司もいない自由な働き方は、他の業種よりは労働条件が良いとも思います。ただ、僕たちと同じように事故や違反のリスクはあります。

  • 11項目、追加9項目では解決できません

外国人研修生制度を利用する、あるいは豊橋市が行っている様な「定住外国人に対する路線バス運転士確保支援事業」などの外国人の雇用で解決する問題でもありません。

  • 2種免許要件緩和策も同じことです。

では、これから運転手不足、人材不足をどう解決するのでしょう。人材をどこに求めれば良いのでしょう。

救世主はあらわれないのか

個人タクシーの開業要件緩和を

  • 現行の10年や3年という資格や条件を緩和。

例えば、タクシー運転手歴3年、営業区域内での期間も3年、と短縮すれば、経験3年で個人タクシーが開業できます。

新卒者の離職率が高い3年以内(31.2%)を、個人タクシー開業で減少できるのではないかと考えます。

移住政策と地域移動サービスをセットで

  1. 公共交通空白地に移住する人に対して、移動サービスへの就労を提供する。
  2. 二種免許保持者には個人タクシー開業を許可する。
  3. 自治体が運行するコミュニティバスやデマンド交通、自家用有償輸送の運転手になってもらう。

過疎化の進む地域に住んで、移動サービスを担ってもらう、どうでしょう?

共有地の再整備を

豊橋市が行っている「歩いて暮らせる町づくり」のような、街も移動もコンパクト化する。

街全体で自家用車や自動車による移動を削減をおこなう。カーボンニュートラルという問題に関連して、すぐにでもやらなければならないと思います。

やはり自家用車や公用車を使った移動サービスか

病院やスーパーが開いている時間に行けばいい、そんな「時間」に制約がない利用者に対しては、いろいろな方法が考えられるのではないでしょうか。

山吉田の自家用有償輸送なども一例です。貨客混載、通勤時の相乗り、もっと移動サービスを、です。

見本はボクなのだ

実は、何年も自家用車を持っていません。移動は主に電車にバスに徒歩、自転車です。タクシー業界にいるのにタクシーも使いません。カーシェアにレンタカー、自動車が必要な時は借りればいいだけです。

電車やバスでの移動が便利な豊橋という街だからそれが出来るのでしょう。

そんなことを考えると、コモンズ、共有地の移動インフラは、「所有」から「共有」へ、「自動車」から「自動」への、パラダイムシフトが必要だと思います。

人材をどこに求めるのか

結局、これまでのタクシーやバスではない、移動サービス。規制や制限なく多くの人に関わってもらうことも必要かもしれません。

どこにだれに、ではなく、満遍なく誰でも、という形。あるいは、移動を必要としない街づくりということを、考え実行する、そういう人材こそ求められているのだろうと思います。

「永遠不変のテーマ」ではあるのですが、これまで通りの方策では解決できそうにありません。

人を求めるよりも、新しいシステムを求めたたほうが…、なんてことも思ったり……。

とりあえず、まあ、タクシー業界は運転手不足、人材不足なのです。

豊橋駅東口タクシー乗場でお客様を待つジャパンタクシー3台
豊橋駅東口タクシー乗場 豊橋市内のタクシーもUD化してきたような…。

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