Argentineの場合

アルゼンチンから現場研修に来ている人がいて、恐らくその人たちは故国ではGLとかCLクラスなんでしょうけれど、田原工場の雰囲気に圧倒されているのか、慣れない日本での生活に疲れているのか、アルゼンチンタンゴの国、ボクたちが想像している南米の国々の人のもつ陽気さみたいのものが少し影をひそめているような。
トヨタの本場、Japanに来ているという緊張のせいもあるのだろうし、任務の重要性や、それに就いていることへの自負みたいなものが、彼らの周囲半径1メートルの空気を深重にしているのかもしれない。
ボ「アルゼンチンの人たちの安全靴見た?」
T「え、どうしたんですか」
ボ「すげ~カッコイイよ、ほら、見てみ」
T「そうですね」
ボ「きっと高いんだろうね。どこで買ったか聞いてみようか」
T「アルゼンチンででしょう」
ボ「そうだろうなあ、あんなの見たことないよ、なんかさあ登山靴みたいで、あのまま登山に使えそうだよ」
(きっとソールはビブラム社ので、安全靴オリジナルなんだろうなあ)
ボ「ほしいなあ、ちょっと話しかけるか」
T「アルゼンチンってどのへんなんですかねえ」
ボ「南米のチリとかのあたりじゃないの」
T「きっと、アルゼンチントヨタでは偉い人で、自分たちの作業を見ながら、日本人もよくやるよなあ~、なんて思ってるんでしょうねえ」
ボ「う~ん、きっと、生産技術課あたりで、新卒の時に3ヶ月現場研修しただけとかだろうねえ、日本と同じで」
T「CLとか課長とか、幹部候補なんでしょうねえ」
ボ「きっと。んでさあ、アルゼンチン帰ったら『Japaneseのラインマンは、タンゴを踊ってるみたいだったぞ~、そんでお前らのように、何かある度に職制呼び出しなんかしないで、2時間ほとんど呼ばない状態だから、お前らも簡単に読んでんじゃね~ぞ』なんて言ってるかもねえ」
T「すごく威張っていたりするかもしれないですねえ。
ボ「やっぱ話してみようかなあ、そんでオレ雇ってもらえないかなあ」
T「……」
ボ「靴もほしいし」
T「通訳の人もいますしねえ」
ボ「ああ、通訳の人もいるから、スペイン語知らなくても平気だもんね。でもさあ、通訳のお姉さんが『ダメですよ』って言わないかなあ」
T「どうですかねえ」
ボ「通訳の人は、どうも怖いイメージがあるよねえ」
T「どうしてですか」
ボ「いや、なんとなくだけれど」
T「……」
ボ「アルゼンチンかあ」
T「グーグルアースで見てみたいですねえ」
ボ「うん」
T「タンゴかあ」
ボ「ワインかあ」
ボ「安全靴かあ」

5件のコメント

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    combiさん、こんにちは。
    お久し振りです。
    きっと、そういうことでの研修なのでしょうね。ひとりに一人の通訳がついていますから、かなりの職域の人かなあ、なんて思っています。
    南米の自動車産業は、そうですね、バイオ燃料なんてのも当たり前のように販売されているようですし、そういった技術的なことも含めて、中共なんかよりも、ま、進んでいるのだろうし。
    ま、そのあたりの思想も含めてプライドみたいなものを無視して押し付けると拒絶反応が出るのももっともかなあ、なんて思っています。
    期間従業員の送別会(Pコン)なんかでも「TPSを今後の人生に活かしてください」なんて平気で言うGLがいますが、ま、なんていうか宗教みたいなもんで、強引な布教活動は、ま、どこかで歪が出てくるんでしょうね。
    トヨタというよりも made in Japan を買っていたのだろうとも思うし…。
    ありがとうございました。

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    ごぶさたしてます。
    アルゼンチンからの研修生ですか?
    これまた地球の裏側から御苦労なことです。
    それだけ不良品の出荷が多いということでしょう。
    実際、アルゼンチン製トヨタ車は真のトヨタ車ではないといわれてますから、推して知るべしです。
    そもそも、南米の自動車産業は結構歴史があるので、思想的にヨーロッパ思想です。
    そこにトヨタ思想を押し付けてもうまくいくとは思えないのがラテン経験のないトヨタにはわからなかったのでしょうねぇ・・・
    ちなみに、ピックアップトラックのハイラックスは、街中で使っての、5万kmを超えたあたりからあちこちが壊れだします。
    いやー、日本国内並みの耐久性ですから、今まで15万kmは持っていた今までのトヨタ車のイメージで買った人は激怒します。
    当然、道のない農園や畑を走り回るような使いかただと、もっと早く壊れます。
    そして、なんと、タイ製の別メーカーのピックアップトラックに買い換えます。これが同じ使い方をしても壊れないのでした。
    そこまで、現在のトヨタ車は、売国奴・Oの強引なCRが世界中に効いて来ているということの表れでもあるようです。
    いまや、米国・コンシューマーレポートにも見放されたトヨタ、世界一の台数のリコールを出すのも時間の問題でもあるようです。

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    >kemamiさんへ
    えっと、ま、なんだか恐縮です。
    って、恐れてしまっても、あれなんですが。
    怖いというか、なんというか、ま、役者の台詞のように感情移入してまでも通訳する必要もないから、ええっと、ま、淡々とした日本語になったりするのでしょうね。
    「トテモカナシイデスマル」
    「とても悲しいです(T_T)」
    の違いみたいな。
    えっと、それに、ま、そうですね、スパニッシュの通訳の方も…。ええ、ま、でも、なんだか、通訳と言えば、って感じで、きっとこうやって頑張られておられるのだろうなあ、って…。そんで、まさか、お知り合いとかかなあ、なんて。
    >田原服役囚さんへ
    そうですか、それはちょっと羨ましいかなあ。通訳の人とは少しだけ話したのですけれど…。
    えっと、向こうの工場にも日本人社員の方もいるでしょうし、きっとそんな人たちと親交もあるでしょうから、喋れるのでしょうね。
    作業用語は日本語で全て理解できるのかもしれないと思ったりしています。てか、車用語って英語だったりするから、あとは簡単な身体の動きに対する単語を言えば良いのかもしれないし…。
    「ワークを持って、右に、移動」って感じで。
    香水ですか。
    ま、そのあたりも含めて、習慣とか文化とか、違いはあるのかな。いろいろ。

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    僕は話してみましたよ!
    けっこう日本語喋れるみたいで。
    でも、あの香水はキツすぎます。
    エレベーター一緒になったら倒れそぅになります。

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    呼びました?
    けして怖くないですよ、
    ただ「若くない」というだけで(汗

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